まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

雑記

陰謀論と免疫応答

最近「陰謀論」をテーマにした本を何冊か買ってきた。今更ながら「陰謀論」について考えてみようと思い立ったのは、私がついに陰謀論者と対話する機会があったからである。勿論、その人を「陰謀論者」と規定しているのは私の側だけであって、本人が自分の言…

パワハラ対策としてのアジール

かれこれ10年以上前になるが、「アジール」という言葉を私が知ったのは、網野善彦『無縁・公界・楽』(平凡社ライブラリー、1996年)を学生の頃に読んだときだった。アジール(Asyl)とは、概して「権力の及ばない圏域」を意味する。「権力 Gewalt」とはすな…

『梨泰院クラス』所感

目次 はじめに 『梨泰院クラス』はプラトニック・ラブを描いているのか 悲劇としての『梨泰院クラス』 なぜセロイはスアと結ばれないのか おわりに はじめに Netflixで『梨泰院クラス』(이태원 클라쓰、JTBC、2020年)を観た。陳腐な言い方になるが、面白か…

読書前ノート(11)

目次 小松原織香『当事者は嘘をつく』(筑摩書房、2022年) 〈性暴力〉という物語り 「ナラティブアプローチ」と「嘘」 〈性暴力〉とは何か 「刑事司法の枠組み」から外れる〈性暴力〉 「彼」の発言と振る舞いの矛盾 ドーナツの「穴」のような「語り得(え)…

不条理な制度には不服従を示そう

唐突に昔の憤りを思い出したので書き綴っておく。 2015年のことである。 私は現在ソフトバンク株式会社で正社員として働いている。が、最初から正社員だったわけではなく、当初は販売契約社員として入社して働いていた。販売契約社員とは3ヶ月更新(当時)で…

読書前ノート(10)

目次 読書前ノート(承前) ジョルジョ・アガンベン『身体の使用 脱構成的可能態の理論のために』(上村忠男訳、みすず書房、2016年) 読書前ノート(承前) ジョルジョ・アガンベン『身体の使用 脱構成的可能態の理論のために』(上村忠男訳、みすず書房、2…

読書前ノート(9)

目次 読書前ノート(承前) 平野啓一郎『私とは何か——「個人」から「分人」へ』(講談社、2021年) メタバースと〈分人主義〉 読書前ノート(承前) 平野啓一郎『私とは何か——「個人」から「分人」へ』(講談社、2021年) メタバースと〈分人主義〉 メタバー…

読書前ノート(8)

目次 読書前ノート(承前) バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論——仮想現実の荒野に芽吹く「解放」と「創造」の新世界』(技術評論社、2022年) それは参与観察さえ〈超えて〉いる 読書前ノート(承前) バーチャル美少女ねむ『メタバース進化論——仮想現…

インシュレーターを買いました

目次 定在波とインシュレーター オーディオテクニカ ハイブリッドインシュレーター 定在波とインシュレーター 前回有機ELテレビやサウンドバーを購入したと書いたが、その続きである。わざわざ購入したSONYのサウンドバーの音質に満足できず悩んでいた。とい…

有機ELテレビを買いました

目次 最近購入したもの LG 55型 4Kチューナー内蔵 有機EL テレビ アイリスプラザ テレビ台 ハイタイプ ソニー サウンドバー / HT-S100F 最近購入したもの 引っ越しを機にテレビを購入した。3LDKの家に引っ越してきたので、大型テレビを置く余裕ができた。前…

県外引っ越し

4月以降の転勤先があまりにも遠くて通えないので、引っ越しをすることにした。県外へ引っ越しするのは初めてである。異動の辞令が出たのが3月3週目過ぎた頃だったので、とにかく時間がない。先週、たまたま内覧しに行った1件目の物件があまりにも優良物件だ…

読書前ノート(7)

目次 読書前ノート(承前) 梅田百合香『ホッブズ リヴァイアサン シリーズ世界の思想』(KADOKAWA、2022年) 読書前ノート(承前) 梅田百合香『ホッブズ リヴァイアサン シリーズ世界の思想』(KADOKAWA、2022年) 「シリーズ世界の思想」という企画を立ち…

読書前ノート(6)

目次 読書前ノート(承前) 佐藤直樹『基礎から身につく「大人の教養」 東京藝大で教わる西洋美術の見かた』(世界文化社、2021年) カート・セリグマン『魔法 その歴史と正体』(平田寛・澤井繁男訳、平凡社、2021年) 読書前ノート(承前) 佐藤直樹『基礎…

読書前ノート(5)

目次 読書前ノート(承前) イアン・ハッキング『数学はなぜ哲学の問題になるのか』(金子洋之・大西琢朗訳、森北出版、2017年) 読書前ノート(承前) イアン・ハッキング『数学はなぜ哲学の問題になるのか』(金子洋之・大西琢朗訳、森北出版、2017年) 最…

読書前ノート(4)

目次 読書前ノート(承前) 蛯谷敏『レゴ——競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方』(ダイヤモンド社、2021年) 読書前ノート(承前) 蛯谷敏『レゴ——競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方』(ダイヤモンド社、2021年) 「ソフトバンク…

読書前ノート(3)

目次 読書前ノート(承前) 前田鎌利『課長2.0 リモートワーク時代の新しいマネージャーの思考法』(ダイヤモンド社、2021年) 読書前ノート(承前) 前田鎌利『課長2.0 リモートワーク時代の新しいマネージャーの思考法』(ダイヤモンド社、2021年) 前田鎌…

読書前ノート(2)

目次 読書前ノート(承前) 岩波哲男『ヘーゲル宗教哲学入門』(理想社、2014年) 読書前ノート(承前) 岩波哲男『ヘーゲル宗教哲学入門』(理想社、2014年) 神保町の三省堂書店でたまたま本書を見つけて手に取った。ヘーゲルの著作の背後には、常に宗教性…

読書前ノート(1)

目次 はじめに 読書前ノート 赤松明彦『『バガヴァッド・ギーター』——神に人の苦悩は理解できるのか?』(岩波書店、2008年) 臼杵陽『大川周明 イスラームと天皇のはざまで』(青土社、2010年) エドワード・J・ワッツ『ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性…

承認のリーダーシップと言葉の生命力

目次 はじめに 承認のリーダーシップ 言葉の生命力を信じる 人々を笑顔にする仕事は直接目に見えない はじめに 最近YouTubeで鴨頭嘉人(1966-)さんの講演を聴いている.しかも繰り返し繰り返しである.鴨頭さんの講演が素晴らしく面白く仕事の為になり,他…

学術的なことは何も出来ません

最近このブログが全然更新できてないことがお分かりいただけるだろうか。とにかく仕事の方に傾倒しなければとてもやっていけないほど今は余裕がないのである。もちろん休日はあるが、休日は仕事のメールを見てしまうし不安しかない。不安を搔き消すためにビ…

気づけば師走

仕事で所属する課が変わり、勤務地も移動し、新しい役割になって早1ヶ月。『〈目まぐるしい〉とはこういうことを言うのか』と思うぐらいあっと言う間だった。とにかく頭の中は常に『!?』『ワカラナイ…』『進捗ダメです!』のサイクルを回しているだけで決…

どうしてこうなった

11月になり、異動になった。まず自分の役割が変わったし、周囲の人間関係も変わってしまった。知らない人たちの前で失礼は許されないので、業務で迷惑にならないようにビジネススキルを改めて学んでいる。この変化は、ほとんど社内転職したに等しい。新しい…

「自立」の概念について

先日の自分の昇進試験の際に、あるスライドに「自立して動けるチームを作る」というスローガンを盛り込んだのだけれども、このスローガンがはたして良かったのかどうかということが頭に浮かんでくる。実際、『「自立」とはどういうことかをしっかりと説明で…

これからの話

師匠とオンラインミーティングをした。先日、LINEで師匠に『ニコラス・バーボンの翻訳をしました』と報告をしたことがきっかけだった。その報告からしばらく経って、オンラインで話しましょうということになった。僕は修士を出てからもう六年半も経つけれど…

現状と課題

最近は仕事上の課題が立て込んでおり、おそらく再来週までは、とてもじゃないが落ち着いて哲学など出来る状態ではない。 仕事上の課題とは、通常業務に関するものではなくて、今後のターニングポイントになり得るような私個人のキャリアに関わることである。…

2020年にこのブログに書いた記事を振り返る

目次 はじめに エッセイ アニメ批評 古典についての覚書 ホッブズ『リヴァイアサン』覚書 スピノザ『エチカ』覚書 ヴィーコ『新しい学』覚書 ルソー『社会契約論』覚書 ルソー『言語起源論』覚書 アダム・スミス『国富論』覚書 ヘーゲル『精神現象学』覚書 …

書籍を出版社から直接購入してみた

目次 はじめに コロナ禍で直接注文できるようになった 在庫僅少本フェア開催中 追伸 はじめに リチャード・タック著『トマス・ホッブズ』(田中浩・重森臣広訳、未來社、1995年)を出版社である未來社から直接購入してみました。 www.miraisha.co.jp 購入 pi…

スティーヴン・シェイピン+サイモン・シャッファー『リヴァイアサンと空気ポンプ:ホッブズ、ボイル、実験的生活』(吉本秀之監訳、柴田和宏+坂本邦暢訳、名古屋大学出版会、2016年)

目次 はじめに ホッブズとボイル 文献 はじめに スティーヴン・シェイピン+サイモン・シャッファー『リヴァイアサンと空気ポンプ:ホッブズ、ボイル、実験的生活』(吉本秀之監訳、柴田和宏+坂本邦暢訳、名古屋大学出版会、2016年)という本を買いました。…

コロナ以後、祭礼は野蛮である

はじめに 今回は「コロナ以後、祭礼は野蛮である」ということについて考えたい。 もともとは「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」*1というアドルノの言葉から来ている。こちらははるかに重々しい内容を持っている。藤野寛の解釈を引用しよう…

2018年に書いた記事まとめ

目次 2018年に書いた記事まとめ 1月(仮想通貨) 2月(仮想通貨) 3月(投資、効率、家族、ブルデュー) 4月(ヴィトゲンシュタイン、西周、大学、ドイツ通俗哲学、権利) 5月(ホッブズ、ヘーゲル、権利、正義、EC、アマゾン) 6月(イェーリング、ヘーゲル…