まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

研究ノート

ヘーゲル『大論理学』覚書(2)

目次 ヘーゲル『大論理学』(承前) 第一版への序文 哲学の変容と論理学 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『大論理学』(承前) 第一版への序文 哲学の変容と論理学 ほぼ二十五年来, われわれのもとで哲学的にものを考える方法に完全な変更が加えられて…

ヘーゲル『法の哲学』覚書(4)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 序言(承前) 『要綱』における「方法」の問題 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 序言(承前) 『要綱』における「方法」の問題 この要綱が, さしあたっては, ここで指導的な役割を果たしている方法…

ヘーゲル『大論理学』覚書(1)

目次 はじめに ヘーゲル『大論理学』 『大論理学』第1版と第2版における表題紙の違い 文献 はじめに 本稿ではヘーゲル『大論理学』(Wissenschaft der Logik, 1812-16, 1832)を読む. 厳密にいうと『大論理学』というタイトルのヘーゲルの著作はない. 慣例とし…

ヘーゲル『法の哲学』覚書(3)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 序言(承前) 「注解 Anmerkungen 」の役割について 「要綱 Grundriss 」と「概論 Compendium 」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 序言(承前) 「注解 Anmerkungen 」の役割について しかし, この…

ヘーゲル『法の哲学』覚書(2)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 序言 「講義への手引き」としての『法の哲学』 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 序言 「講義への手引き」としての『法の哲学』 この要綱を出版する直接のきっかけは, 私が職務上おこなう法の哲…

ヘーゲル『法の哲学』覚書(1)

目次 はじめに ヘーゲル『法の哲学』 自然法と国家学の要綱 法の哲学の基本線 文献 はじめに 本稿ではヘーゲル『法の哲学 自然法と国家学の要綱』(上妻精・佐藤康邦・山田忠彰訳, 岩波書店, 2021年)を読む*1. ここで訳者の一人である故・佐藤康邦(1944-2018)…

スピノザ『エチカ』覚書(14)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 〈実体〉=〈神〉を自然物や人間の本性と類比的に捉えてはならない 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 〈実体〉=〈神〉を自然物や人間の本性と類比…

スピノザ『エチカ』覚書(13)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体の無限性 部分的否定と絶対的肯定 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体の無限性 定理八 すべての実体は必然的に無限である. 証明 同一の属性…

スピノザ『エチカ』覚書(12)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体と存在 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体と存在 定理七 実体の本性には存在することが属する. 証明 実体は他のものから産出されることが…

スピノザ『エチカ』覚書(11)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 他者によって産出されざる実体 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 他者によって産出されざる実体 定理六 或る実体は他の実体から産出されることがで…

マルクス『資本論』覚書(9)

目次 マルクス『資本論』(承前) 商品のあいだに共通する〈第三のもの〉 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) 商品のあいだに共通する〈第三のもの〉 (1)ドイツ語版『資本論』初版 我々はさらに、二つの商品、例えば小麦と鉄を取り上…

ルソー『政治経済論』覚書(2)

目次 ルソー『政治経済論』(承前) 国家と家族の違い 文献 sakiya1989.hatenablog.com ルソー『政治経済論』(承前) 国家と家族の違い 国家と家族とのあいだには、多くの著述家が主張しているほどに多くの関係があるにしても、だからといって、これら二つ…

ルソー『政治経済論』覚書(1)

目次 はじめに ルソー『政治経済論』 〈経済〉の二つの意味——「政治経済」と「家内経済」 文献 はじめに 本稿ではジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau, 1712-1778)のいわゆる『政治経済論』(Discours sur l'économie politique, 1755)を検討…

〈政治経済学〉についての覚書(1)

目次 はじめに アダム・スミス『国富論』における〈政治経済学〉 文献 はじめに 本稿では〈政治経済学〉について書きたいと思う。 〈政治経済学〉とは英語のpolitical economyを訳したものである。これは今では単に「経済学」と訳されるのが通例である。しか…

マルクス『資本論』覚書(8)

目次 マルクス『資本論』(承前) マルクスの〈価値の現象学〉 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) マルクスの〈価値の現象学〉 (1)ドイツ語版『資本論』初版 ある個別の商品、たとえば一クォーターの小麦は、他の諸商品と最も様…

マルクス『資本論』覚書(7)

目次 マルクス『資本論』(承前) 〈現象〉としての「量的関係」 商品に〈内在的な〉交換価値は「形容矛盾」か ル・トローヌ『社会利益論』(1777年、パリ) 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) 〈現象〉としての「量的関係」 (1…

ヴィーコ『新しい学』覚書(18)

目次 ヴィーコ『新しい学』(承前) 著作の観念(承前) ホメロスの詩とその文体 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヴィーコ『新しい学』(承前) 著作の観念(承前) ホメロスの詩とその文体 こうしてまた、第二には、英雄物語も、すべての諸国民においてそ…

アタナシウス・キルヒャーの著作における図像(1)

目次 はじめに キルヒャーの著作における図像 1641年『磁石あるいは磁気の術』(Magnes sive de arte magnetica) 1643年 『エジプトの言語の再構築』(Lingua aegyptiaca restituta) 1650年『普遍音楽』(Musurgia universalis, sive ars magna consoni et…

ヴィーコ『新しい学』覚書(17)

目次 ヴィーコ『新しい学』(承前) 著作の観念(承前) ヴィーコのいう「自然神統記」とはヘシオドスの『神統記』のことか 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヴィーコ『新しい学』(承前) 著作の観念(承前) ヴィーコのいう「自然神統記」とはヘシオドスの…

ヴィーコ『新しい学』覚書(16)

目次 ヴィーコ『新しい学』(承前) 著作の観念(承前) 文献 sakiya1989.hatenablog.com 前回が半年以上前であるから、私自身も内容を忘れてしまっている。と同時に『もう半年も経ってしまったのか』という驚きを禁じ得ない。無理を承知で少しばかり読解を…

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(7)

目次 ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) 古代ギリシアにおける「汝自身を知れ」の意味 ホッブズにおける「汝自身を知れ」の意味 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) しかし、近ごろでは理解さ…

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(6)

目次 ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) 人びとを読むことは可能か 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) 人びとを読むことは可能か 第一に関しては、賢明さ Wisdome は、書物を読むことによって…

ベンヤミン「歴史の概念について」覚書(2)

目次 第二テーゼの解釈 羨望と幸福 秘密の索引と密約 文献 sakiya1989.hatenablog.com 第二テーゼの解釈 『個々人のうちには非常に多くの利己心がありながら、どの〔瞬間の〕現在もおのれの未来に対しては一般に羨望を抱かないということは、人間の心の最も…

ベンヤミン「歴史の概念について」覚書(1)

目次 はじめに 第一テーゼの解釈 sollenをめぐる解釈 文献 はじめに 以下ではベンヤミン「歴史の概念について」について書きたいと思う。 ドイツ語の原文はSuhrkamp版のベンヤミン全集を参照し、訳文は第六テーゼまでは平子友長訳(平子2005)を用いる。 第…

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(5)

目次 ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) 本書の構成 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) 本書の構成 この人工的人間の本性を叙述するために、私は、 第一に、それの素材 Matter と製作者、それ…

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(4)

目次 ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) 人間の機構に擬えられし政治概念 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) 人間の機構に擬えられし政治概念 そして、そのなかで、主権 Soveraignty は全身体…

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(3)

目次 ホッブズ『リヴァイアサン』(承前) 序説(承前) ホッブズの合理的な「自然」観 近代的な「国家」概念としての「リヴァイアサン」 なぜホッブズは「リヴァイアサン」という呼び名を「国家」概念に与えたのか 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホッブズ…

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(2)

目次 ホッブズ『リヴァイアサン』 序説 「自動機械」の政治哲学への応用 自然という技術と人間の技術 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホッブズ『リヴァイアサン』 序説 「自動機械」の政治哲学への応用 まずは「序説」から見ていこう。 自然(神がそれによ…

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(1)

目次 はじめに 『リヴァイアサン』のタイトルについて 文献 はじめに この連載ではホッブズ『リヴァイアサン』(水田洋訳、岩波文庫)を読んでいきたいと思う。なお『リヴァイアサン』の初版の種類と口絵については下記リンク先を参照されたい。 sakiya1989.…

アダム・スミス『国富論』覚書(1)

目次 はじめに アダム・スミス『国富論』 序と構想 文献 はじめに 本稿ではアダム・スミス『国富論』(高哲男訳、講談社)を読む。 私は以前、岩波文庫で『国富論』を読んだことがあるが、いわゆる「道徳哲学 moral philosophy 」の教授アダム・スミス(1723…