研究ノート
目次 ヘーゲル『精神現象学』 B 自己意識 「in Wahrheit」と「in der Wahrheit」は同じ意味か 文献 ヘーゲル『精神現象学』 B 自己意識 「in Wahrheit」と「in der Wahrheit」は同じ意味か これまでの、確信のいくつかの在り方にあっては、真は、意識から見…
目次 マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』(承前) 人間の歴史には創造性があるか 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』(承前) 人間の歴史には創造性があるか Die Menschen machen ihre eigene Ges…
目次 はじめに ヘーゲル『法の哲学』 「法から道徳性への移行」はいかにしてなされるのか 文献 はじめに 以下ではヘーゲル『法の哲学』第二部「道徳性 Moralität」を取り扱う。 ヘーゲルが『精神現象学』で「道徳的世界観」についてアレコレ論じているところ…
私は何か社会学か民俗学の問題に取り組む時には、ほとんどいつも、あらかじめ、『ルイ・ボナパルトのブリュメール十八日』や『経済学批判』の何ページかを読んで私の思考に活気を与えてから、その問題の解明にとりかかるのである。——レヴィ=ストロース 目次…
目次 鈴木大拙『大乗仏教概論』(承前) 序論(承前) 部派仏教の無意味と大乗仏教の意味 文献 sakiya1989.hatenablog.com 鈴木大拙『大乗仏教概論』(承前) 序論(承前) 部派仏教の無意味と大乗仏教の意味 しかしこれらの部派は次から次と、無価値なもの…
目次 鈴木大拙『大乗仏教概論』(承前) 序論(承前) 紀元四〇一年 文献 sakiya1989.hatenablog.com 鈴木大拙『大乗仏教概論』(承前) 序論(承前) 紀元四〇一年 しかし本当は、他の宗教組織と同じく、仏教にもいろいろ違った宗派(schools)がある。ブッダ…
目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 緒論(承前) 「法学は、哲学の一部門である」とはどういうことか 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 緒論(承前) 「法学は、哲学の一部門である」とはどういうことか 法学は、哲学の一部門…
目次 はじめに 鈴木大拙『大乗仏教概論』 序論 「仏教 Buddism」とは何か 文献 はじめに 以下では鈴木大拙『大乗仏教概論』(Daisetz Teitaro Suzuki, Outlines of Mahâyâna Buddhism, 1907)を読む。 最近私が書店で本を探すときに、選ぶ本の基準のひとつに…
目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 緒論(承前) 「形態化」とは何か 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 緒論(承前) 「形態化」とは何か 概念自身によって定立されたこの現実性ではないものは、すべて過ぎ去りゆく定在にすぎ…
目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 緒論(承前) 「単純な概念」とは何か 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 緒論(承前) 「単純な概念」とは何か 哲学は、理念を問題にすべきであって、それゆえに世間で単なる概念とよび慣わ…
目次 はじめに ヘーゲル『法の哲学』 緒論 「哲学的法学」とは何か 文献 はじめに 最近仕事が忙しくて研究が疎かになってしまっていたので再開することにしたい。とはいえ、私が忙しくても書けるものといえば、ヘーゲル『法の哲学』に関してぐらいである。 …
目次 ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 10行目 単語 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 10行目 τῶν ἁμόθεν γε, θεά, θύγατερ Διός, εἰπὲ καὶ ἡμῖν. そのすべての中の、どこからでもよい──語っておくれ、…
目次 バタイユ『エロティスム』(承前) 序論(承前) 〈エロティスム〉のパラドックス——死と放埒 文献 sakiya1989.hatenablog.com バタイユ『エロティスム』(承前) 序論(承前) 〈エロティスム〉のパラドックス——死と放埒 Il y a là un paradoxe si gran…
目次 はじめに 聖徳太子「十七条憲法」 なぜ聖徳太子は「和」を重視したのか 聖徳太子の「和」の理念は儒教に由来するものか なぜ聖徳太子は「三宝」を重視したのか 文献 はじめに 以下では聖徳太子「十七条憲法」を読む。 「十七条憲法」という日本初の成文…
目次 はじめに ライプニッツ「中国自然神学論」 第一章 神についての中国人の見解 なぜ古代の中国思想家の考え方は「理性的」なのか 中国の思想家はいわゆる「神」についてどのように考えたか 中国哲学はなぜ検討するに値するのか 文献 はじめに 以下ではラ…
目次 ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 93〜95行 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 93〜95行 πέμψω δ’ ἐς Σπάρτην τε καὶ ἐς Πύλον ἠμαθόεντα νόστον πευσόμενον πατρὸς φίλου, ἤν που ἀκούσηι, ἠδ’ ἵνα…
目次 ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 75〜79行目 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 75〜79行目 ἀλλ’ ἄγεθ’, ἡμεῖς οἵδε περιφραζώμεθα πάντες νόστον, ὅπως ἔλθησι· Ποσειδάων δὲ μεθήσει ὃν χόλον· ο…
目次 バタイユ『エロティスム』(承前) 序論(承前) 〈エロティスム〉は人間固有の性活動か 文献 sakiya1989.hatenablog.com バタイユ『エロティスム』(承前) 序論(承前) 〈エロティスム〉は人間固有の性活動か S'il s'agissait de définition précise…
目次 はじめに バタイユ『エロティスム』 序論 〈エロティスム〉とは何か 文献 はじめに 以下ではジョルジュ・バタイユ(Georges Bataille, 1897-1962)の『エロティスム』(L'Érotisme, 1957)を読む。 バタイユについては詳しくは何も知らない。ただ素人な…
目次 ハイデガー『存在と時間』(承前) 序論 存在の意味への問いの呈示 忘却された存在の意味への問いを想起させるハイデガー 文献 sakiya1989.hatenablog.com ハイデガー『存在と時間』(承前) 序論 存在の意味への問いの呈示 忘却された存在の意味への問…
目次 レヴィナス『全体性と無限』(承前) 序文(承前) 戦争の前では道徳は無意味なのか 文献 sakiya1989.hatenablog.com レヴィナス『全体性と無限』(承前) 序文(承前) 戦争の前では道徳は無意味なのか La lucidité ouverture de l'esprit sur le vrai…
目次 ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 6〜9行目 単語 文献 sakiya1989.hatenablog.com ホメロス『オデュッセイア』(承前) 第一歌 6〜9行目 ἀλλ᾽ οὐδ᾽ ὣς ἑτάρους ἐρρύσατο, ἱέμενός περ:αὐτῶν γὰρ σφετέρῃσιν ἀτασθαλίῃσιν ὄλοντο,νήπιοι, οἳ κ…
目次 はじめに レヴィナス『全体性と無限』 序文 〈道徳〉のパラドックス 単語 文献 はじめに 以下では、20世紀の哲学者エマニュエル・エヴィナス(Emmanuel Levinas, 1906-1996)の主著である『全体性と無限』(Totalité et Infini, 1961)を読む。 本書を…
目次 はじめに 『百人一首』 第一首 天智天皇 なぜ天智天皇の歌が第一首なのか 天智天皇がこの歌を詠む意義 作者を抜きにして詩歌を純粋に評価できるか 文献 はじめに 今月、岩波文庫から『百人一首』(久保田淳校注、岩波書店、2025年)が発売された。百人…
目次 はじめに ハイデガー『存在と時間』 〈存在の意味への問い〉というアポリア 文献 はじめに 以下では、20世紀の哲学者マルティン・ハイデガー(Martin Heidegger, 1889-1976)の主著『存在と時間』(Sein und Zeit, 1927)を読む。 近年ではハイデガーの…
目次 はじめに ホメロス『オデュッセイア』 第一歌 1〜5行目 単語 文献 はじめに 筆者はこの四月からKUNILABOの「古典ギリシア語初級講読」(砂田恭介先生)の授業を受講している。授業で読んでいるのはホメロス『オデュッセイア』(Homerus, Odyssea, Marti…
目次 はじめに マックス・ヴェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」 文献 はじめに 以下ではマックス・ヴェーバー(Max Weber, 1864-1920)の代表作である「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(Die protestantische Ethik und …
目次 カルヴァン『キリスト教綱要 初版』(承前) 第一章 律法について、十戒の説明を含む。(承前) 神の被造物である万物のあるべき態度 「naturae suae」は「神から与えられた神的本性」か 「imperium」は「(神の)法」か 『箴言』第十六章と『詩篇』第…
目次 カルヴァン『キリスト教綱要 初版』(承前) 第一章 律法について、十戒の説明を含む。(承前) 事物の範囲は限定されているか 『箴言』第十六章 文献 sakiya1989.hatenablog.com カルヴァン『キリスト教綱要 初版』(承前) 第一章 律法について、十戒…
目次 カルヴァン『キリスト教綱要 初版』(承前) 第一章 律法について、十戒の説明を含む。 〈神〉の認識と〈我々〉の認識 『バルク書』第三章と『ヤコブの手紙』第一章 深井訳の三重の誤訳 文献 sakiya1989.hatenablog.com カルヴァン『キリスト教綱要 初…