まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

スピノザ『エチカ』覚書(3)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 「私」という主語,抹消された主体 「自己原因」の解釈と「神の存在証明」 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 「定義」の内容についてもう…

スピノザ『エチカ』覚書(2)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について 定義 隔字体のない原文 「定義」における「幾何学的秩序」 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について 定義 定義 一 自己原因とは,その本質が存在を含むもの,ある…

スピノザ『エチカ』覚書(1)

目次 はじめに スピノザ『エチカ』 幾何学的秩序 スピノザ以前のユークリッド幾何学の哲学者への影響——ホッブズの場合 スピノザと幾何学的秩序 幾何学の発展——ユークリッド幾何学から非ユークリッド幾何学へ 本書の部門構成 文献 はじめに 本稿ではスピノザ…

ポスト・ヒューマン/サスティナブル・ウォー/シンクポル/自由は屈従——『攻殻機動隊 SAC_2045』(シーズン1)覚書

目次 「ポスト・ヒューマン」とシンギュラリティ 「サスティナブル・ウォー」と資産価値 「シンクポル」とネットリンチ 「自由は屈従」と対米従属 おわりに Netflixで『攻殻機動隊 SAC_2045』シーズン1(第1〜12話)を観たので、感想を書いておきたい。 www.…

コロナ以後、祭礼は野蛮である

はじめに 今回は「コロナ以後、祭礼は野蛮である」ということについて考えたい。 もともとは「アウシュヴィッツ以後、詩を書くことは野蛮である」*1というアドルノの言葉から来ている。こちらははるかに重々しい内容を持っている。藤野寛の解釈を引用しよう…

サイード『オリエンタリズム』覚書(4)

目次 サイード『オリエンタリズム』(承前) 序説(二)(承前) 〈オリエント〉に関する三つの留保(その一) 〈オリエント〉についての諸観念の星座的布置 文献 sakiya1989.hatenablog.com サイード『オリエンタリズム』(承前) 序説(二)(承前) 〈オ…

ヴィーコ『新しい学』覚書(3)

目次 ヴィーコ『新しい学』(承前) 著作の観念(承前) 哲学者たちと形而上学の位置付けの違い 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヴィーコ『新しい学』(承前) 著作の観念(承前) 哲学者たちと形而上学の位置付けの違い この摂理の顔を介して,形而上学は…

ルソー『社会契約論』覚書(2)

目次 ルソー『社会契約論』(承前) まえがき 『社会契約論』と『ジュネーヴ草稿』 文献 sakiya1989.hatenablog.com ルソー『社会契約論』(承前) まえがき 『社会契約論』と『ジュネーヴ草稿』 ルソーは『社会契約論』のはじめに,次のような「まえがき(…

ルソー『社会契約論』覚書(1)

目次 はじめに ルソー『社会契約論』 異版について ドイツで印刷された海賊版 女神像の初版 八つ折り版の初版 ジュネーヴの市民 ウェルギリウス『アエネーイス』 文献 はじめに 本稿では,ルソー『社会契約論』(桑原武夫・前川貞次郎訳,岩波文庫)の読解を…

サイード『オリエンタリズム』覚書(3)

目次 序説(二) 「オリエント」とヴィーコの「原理」 文献 sakiya1989.hatenablog.com 序説(二) 「オリエント」とヴィーコの「原理」 サイードはヴィーコの「原理」を「オリエント」の解明へと応用する。 I have begun with the assumption that the Orie…