まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

田上 孝一[編著]『権利の哲学入門』(社会評論社、2017年)

昨年出版された田上 孝一[編著]『権利の哲学入門』(社会評論社、2017年)には、自分も執筆者の一人として参加した。この本は二部構成であり、第一部は「権利の思想史」、第二部は「現代の権利論」となっている。 第一部「権利の思想史」では、アリストテ…

「権利」という翻訳語

今回は「権利」という翻訳語について書きたいと思います。 目次 「権利」の「利」 翻訳語としての「権利」以前/以後 「権利」の「権」 文献 「権利」の「利」 一昨年、私は「ヘーゲルの権利論」(荒川 [2017])について執筆していました。その際に「権利」…

通俗の弁証法 あるいはカント・ドイツ通俗哲学・西周

目次 はじめに ドイツ通俗哲学 ガルヴェとカント 西周の通俗性 文献 はじめに 小谷英生さんが博論出版に向けて準備をしているようだ。 博論がなかなか出版されないという自他共に抱える悩みを解消するため、下記の企画をさせていただきます。ご興味のある方…

大学とはメディアなのか

前回の記事で大学についてちょろっと書いたので、久しぶりに吉見俊哉『大学とは何か』(岩波新書、2011年)を読み直してみました。大学の歴史についてとてもコンパクトにまとまっていて、とても820円で買える内容とは思えないほど素晴らしいです。 僕がこの…

大学の図書館は重要な存在

Twitterで以下のエントリーが流れてきました。 bonotake.hatenablog.com この記事をきっかけに、あらためて冨山和彦さんの提言を読んで見ました。 冨山氏が大学をG型(グローバル型)とL型(ローカル型)に分けよと提言したのが2014年です。L型大学とは、要…

西周「百学連環」とencyclopedia

最近、「西周賞」というものが創設されました。 応募資格は40歳以下の若手研究者で、「ひろく西周にかかわる学術論文」というテーマで募集しています。締め切りは平成30年7月20日(必着)。賞金は10万円です。 www.tsuwano.net 僕はこの西周賞の募集を見て、…

ヴィトゲンシュタイン『哲学探究』はシュールな思考の本だ

今日、オリックス推しプロ野球評論家比較政治学・朝鮮半島地域研究で有名な木村幹(@kankimura)先生がTwitterで次のようにつぶやいているのを見かけました。 そうか歴史学者の間には、ピンチになったら頭の中で「ドラえもん」の主題歌を流して落ち着かせる…

テクスト解釈の多様性

今回はテクスト解釈について書きたいと思います。 まずはこちらの画像をご覧下さい。 このイラスト何に見えますか? 目があるから、多分動物ですね。 カモかしら。アヒル?ウサギにも見えますね。 どうでしょう。どちらにも見えるし、書き方が結構曖昧じゃな…