まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年に書いた記事まとめ

目次 2018年に書いた記事まとめ 1月(仮想通貨) 2月(仮想通貨) 3月(投資、効率、家族、ブルデュー) 4月(ヴィトゲンシュタイン、西周、大学、ドイツ通俗哲学、権利) 5月(ホッブズ、ヘーゲル、権利、正義、EC、アマゾン) 6月(イェーリング、ヘーゲル…

架空のインタビュー

目次 架空のインタビュー あなたの長所と短所は? 趣味やストレス発散方法は? ストレスは感じやすい方? これだけは一番だと言えることは? あなたを漢字一文字で表すと? あなたにとって仕事とは? 自分に架空のインタビューを仕掛けてみました。 架空のイ…

「YouTube Music」について

目次 YouTube Musicの登場 YouTube動画×バックグラウンド再生=最強 SpotifyにとってYoutube Musicは脅威 試用期間の長期化戦略:フリーミアムとサプスクリプション 今回はGoogleの新サービス「YouTube Music」について書きたいと思います。 YouTube Musicの…

ガーダントヘルスとリキッドバイオプシー

目次 はじめに ガーダントヘルス リキッドバイオプシー おわりに 文献 今回はガーダントヘルスとリキッドバイオプシーについて書く。 はじめに 株式市場が全体的に下落している。最近はボラティリティが大きく、1日で数十万資産額が変動することに鈍感にな…

文献表の作成について

今回は、文献表の作成ついて書きたいと思います。 私はこのブログで関心のあるテーマについて記事を書いていますが、記事を書く前には必ずと言って良いほど文献表を作成しています。「まだ先行研究で消耗してるの?」*1というふざけたタイトルを採用していま…

ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」(2)

目次 はじめに 第一テーゼ トルコ人 せむしの小人 おわりに 文献 sakiya1989.hatenablog.com はじめに 前々回に引き続き、ベンヤミン「歴史の概念について」の第一テーゼについて書きたいと思います。 第一テーゼ 周知のように、チェスを指す自動人形が存在…

ベンヤミンのいわゆる『複製技術時代の芸術作品』

目次 はじめに 今『複製技術時代の芸術作品』を読む意義 文献 前回に引き続き、今回もヴァルター・ベンヤミンについて取り上げたいと思います。 はじめに 私は少し前まではベンヤミンという思想家をさほど重要視していませんでしたが、ベンヤミンについて調…

ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」

目次 はじめに ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」 テーゼV──「過去の真の像」の儚さ ベンヤミンにおける一回性、個別性、瞬間性へのこだわり 文献 はじめに 最近、私はベンヤミンの著作や関連書籍に取り組んでいます。きっかけはInstagramで写真を始め…

Instagram(2)──調理としてのフィルター

これまでここ数年にわたって文字における表現を探究してきましたが、Google Pixel 3 XLの新しいカメラを手に入れてからは写真における表現も面白くなってきました。 www.instagram.com www.instagram.com www.instagram.com www.instagram.com www.instagram…

Instagram──スクエアのうちに表現されし美学

Instagramをはじめました。 今までInstagramのアプリさえ触ったことがなかったのですが、今月自分のスマホをGoogle Pixel 3 XLに変えたことがきっかけで、新しい機種の写真性能を試してみたくなったので、撮影した写真をInstagramで公開する事にしました。 w…

【音楽】よく聴く好きな曲【相川七瀬・茅原実里・MANISH】

特に書くことがありませんので、今回は僕の好きな曲を紹介します。 相川七瀬「UNLIMITED」 youtu.be TVアニメ『SAMURAI 7』の主題歌です。上のサムネは関係なし。 茅原実里「境界の彼方」 youtu.be TVアニメ『境界の彼方』(2013年)の主題歌だそうです。見…

松岡正剛『情報生命』(角川ソフィア文庫、2018年)

松岡正剛『情報生命』(角川ソフィア文庫、2018年)を買って読みました。 松岡正剛の千夜千冊という有名なサイトがありますが、そこから加筆修正して文庫にしたものが本書だそうです。 内容がネットで読めるとはいえ、なんだかんだ言って紙に印刷された書籍…

Google+の閉鎖とユーザーの情報流出について

先日、Google+の閉鎖がアナウンスされた。サービスは2019年8月をもって終了予定だそうだ。 jp.techcrunch.com ちょうど「Google+つまんないな」と思っていたタイミングだったので、Google+閉鎖のニュースを見たとき、「無くなるのか、最近使いづらいし良いタ…

検索と参照──L'Encyclopédie・Cyclopædia・Wikipedia

目次 逸見龍生/小関武史 編『百科全書の時空:典拠・生成・転移』(法政大学出版局、2018年) チェンバーズ『サイクロピーディア』とWikipedia:レファレンスとハイパーリンク Googleレンズ ディドロ&ダランベール『百科全書』とWikipedia:執筆者の多様性…

熊野純彦『本居宣長』(作品社、2018年)

熊野先生の『本居宣長』を買いました。 すでに本屋で見かけたことがあると思いますが、とにかくデカイです。約900頁あります。箱の中身はこんな感じです。 (…お分りいただけただろうか?薄っすらと「本居宣長」の文字が入っていることに…。) そして値段は…

健康診断結果を分析する

目次 健康診断結果 判定の良い項目 判定の不良な項目 小括 健康診断結果 本日、健康診断結果が届きました。 健康診断の結果が届いて戦慄している — 荒川幸也 Sakiya ARAKAWA (@hegelschen) 2018年9月3日 毎回同じクリニックで基本健診を受けていることもあっ…

ヴィーコの文献を読むなど

今日はヴィーコの文献を読みました。さらっとだけど。 ↓これ読んでびっくりしたのは、ヴィーコ『新しい学』からの引用が、イタリア語原著じゃなくてドイツ語訳版を参照していたこと。山田貞三 [1986]「G.ヴィーコの『新しい学』」https://t.co/9Y3U3yoiqD — …

ヘーゲル『世界史の哲学』講義録における文献学的・解釈学的問題

今回は、ヘーゲル『世界史の哲学』講義録における文献学的・解釈学的問題というテーマで書きたいと思います。 目次 はじめに 底本は最新の資料ではない?──文献学的問題 『世界史の哲学』講義録における解釈学的問題 結語 参考文献 はじめに 先日、ヘーゲル…

ヴィーコの「共通感覚(常識)」論

今回はヴィーコの「共通感覚(常識)」論というテーマで書きたいと思います。 目次 はじめに ヴィーコの「共通感覚(常識)」 文献 はじめに ヴィーコは早熟な独学者として知られており、彼の死後、様々な歴史家に影響を与えたと言われています。 さて、表題…

ヘーゲルの「倫理」について

今回はヘーゲルの「倫理」について書きたいと思います。 目次 はじめに ヘーゲルの「倫理」 文献 はじめに 前回の記事で毎日更新する意志を提示しましたが、実際に毎日書こうとすると、体力は持たないし書く内容も頭に浮かばないということで、結構キツイも…

不満について

今回は、不満について書きたいと思います。 目次 はじめに 不満と欲求 不満の必然性 不満の不可逆性 はじめに 最近あるサイトで、内容が薄くなってもブログは毎日更新した方がいいという趣旨の内容を読んだので、しばらく毎日更新してみようと思います。 と…

いわゆる「自由意志」論(1)

目次 はじめに いわゆる「自由意志」論 文献 はじめに 今回はいわゆる「自由意志」論について書きたいと思います。前回の記事でヘーゲルの意志論についてちょろっと書きましたが、「自由意志」の概念史についてもう少し遡ってみようと思います。 ちなみに余…

カーネマンとヘーゲルの意志・思考論

目次 はじめに カーネマンの意志・思考論の2類型(システム1・システム2) ヘーゲルの意志・思考論の3類型(自然意志・選択意志・自由意志) カーネマンとヘーゲルの意志・思考論の違い 文献 はじめに 今回は、ダニエル・カーネマンとヘーゲルの意志・思…

ヘーゲル体系における完全性?

目次 はじめに ヘーゲル体系における完全性? 文献 はじめに 今月初めてのブログ更新です。最近ブログの更新が滞っていたのは、ヘーゲルのテクストと真面目に格闘していたからです。真面目に格闘していたと言っても、正直頭が疲れるだけで全然前に進んでいな…

ヘーゲル『精神の現象学』「序言」における《哲学》と《科学》

目次 はじめに 「哲学が科学に高まる」とはどういうことなのか 「序言(Vorrede)」は哲学的著作にとって余計なものなのか 文献 はじめに 今回は、ヘーゲルにおける《哲学》と《科学》について書きたいと思います。 前々回、私は「ホッブズの「哲学=科学」…

イェーリングの「権利感情」論

目次 イェーリング『権利のための闘争』 「権利感情」と「力」 文献 今回はイェーリングの「権利感情」論について書きたいと思います。 イェーリング『権利のための闘争』 イェーリング(Rudolph von Ihering, 1818-1892)の代表作に『権利のための闘争』(D…

ホッブズの「哲学=科学」論

目次 はじめに 「文系」→「哲学」、「理系」→「科学」 ホッブズの「哲学=科学」論 「科学」 「哲学」 結語 文献 はじめに 先日TwitterのTLにより、隠岐さや香先生が新書を出版されるということを知りました。『文系と理系はなぜ分かれたのか』(星海社新書…

アマゾンについての新刊3冊

昨日、アマゾンについての新刊を買いました。 目次 佐藤将之『アマゾンのすごいルール』(宝島社) 鈴木康弘『アマゾンエフェクト!』(プレジデント社) GAFAリサーチ・ジャパン『アマゾンがわかる』(ソシム) まとめ 文献 佐藤将之『アマゾンのすごいルー…

ヘーゲル『法の哲学』における「正義」の用例集

今回は、ヘーゲル『法の哲学』における「正義(Gerechtigkeit)」の用例を以下に示します。これは「抜粋ノート」に過ぎず、本来であればコメントしてしかるべきなのは承知しております。が、このように用例集を作るだけでも、ヘーゲルが「正義」という語をど…

ヘーゲルの「正義」論

目次 「正義」と「平等」 iusの分離としての「権利(Recht)」と「正義(Gerechtigkeit)」 文献 今回は、ヘーゲル『法の哲学』におけるヘーゲルの正義論について書きたいと思います。 sakiya1989.hatenablog.com 「正義」と「平等」 ヘーゲルの『法の哲学』…