まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

健康診断結果を分析する

目次

 

健康診断結果

 本日、健康診断結果が届きました。 

 毎回同じクリニックで基本健診を受けていることもあって、過去三年分の数値データが送られてきます。そうすると、良くも悪くも変化している部分、あまり変化していない部分が分かります。

 そこで今回は、今後の自分自身の健康管理をしていこうという前向きな気持ちを込めて、健康診断結果を分析していこうと思います。

 

判定の良い項目

以下の項目はA判定であり、基本的には問題がないと考えられます。

  • 聴力検査:A判定
  • 血液一般:A判定赤血球数は毎年微増傾向にある(465→494→522)。また赤血球の増加に伴い、血色素(ヘモグロビン)も毎年上昇している(14.0→15.0→15.7g/dl)。貧血の心配はほとんどないとはいえ、これらの継続的な上昇は多血症による合併症のリスクを高める。血小板数にも変化がみられ、まだ基準値以内に収まっているとはいえ、毎年上昇傾向にある(22.3→23.4→27.6)。血小板は血液凝固の働きを持っているが、血小板が増加しすぎると血栓の原因になりかねない(本態性血小板血症など)ので注意が必要である。
  • 肝機能:A判定
  • 代謝A判定
  • 便潜血反応:A判定
  • 尿・腎機能:A判定。ただし、今回、クレアチニンの数値が上昇し(0.80→0.77→0.89mg/dl)、eGFRの数値が減少している(96.2→99.2→83.8)。クレアチニンの上昇は、腎臓の働きが悪くなり、尿を通じて不要な物質を排出できなくなってきている証拠なので、注意が必要である。事実、eGFRが90を割ってしまったことによって、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease : CKD)の進行度がG2であることが分かる(詳しくは日本腎臓学会編集「エビデンスに基づくCKDガイドライン2018」東京医学社、3頁を参照)。尿蛋白は正常なので、まだ正常の範囲内であるが、高血圧などの疾患には注意が必要である。
  • 内科診療:A判定
  • 胸部X線A判定

 

判定の不良な項目

  • 身体計測:体重が微減傾向にある(50.5→50.4→49.7kg)。体重減に伴い、BMIも微減傾向にあり(17.9→17.8→17.6kg/m2)C判定。「やせすぎです。食事内容を見直して下さい。」とのこと。
  • 血圧判定:概ね基準値以内だが、毎回片方の腕が収縮期に134mmHgと高血圧でB判定になる。
  •  視力検査:C〜D判定。「視力が低下しています。眼科医にご相談下さい。」と書いてある。しかし、視力は中学生の頃から視力は悪い(パソコンのし過ぎで)。
  • 脂質:概ねA判定。しかし、「中性脂肪」が三年連続増加傾向にある(41→78→97mg/dl)。そして「LDLコレステロール」も増加傾向にあり(92→100→125mg/dl)B判定である。この点は本当に食生活を改善し、気をつけなければならないと思う。
  • 心電図:C判定である。「PR短縮」と書いてある。何それ?「経過観察のため、1年後に再検査をお受け下さい」とのこと。

「PR時間とは心房の興奮から心室の興奮の始まりまでの時間をいいます。普通、心臓の興奮は心房から始まって、心房と心室の間にある房室結節を通り、心室に至ります。房室結節は興奮伝導に時間がかかる部位ですので、PR時間のほとんどは房室伝導時間で決まってしまいます。 つまり、PR短縮とは房室伝導時間が短いことを意味するものでもあります。

房室伝導時間が短いという状態は、

1) 房室結節がうまれつき小さいか

2) 交感神経活動性が高いか

3) 房室間に房室結節以外の伝導路があるか の3つのどれかが考えられます。この3番目の場合には、副伝導路症候群といわれ、頻拍発作を伴うことがあります。

経過観察というのは、今後、頻拍発作がでるようなことはないか、観察したいということなのではないでしょうか。

ただし、多くの場合は、上記の1、2によるものであり、何も起こらず、また、何も心配の要らないものです。」(「日本心臓財団からの回答」2013年1月18日

www.jhf.or.jp

 

小括

 上で見たように、今回A判定の項目で基準値以内あっても、中身を紐解くと数値の増減による疾患のリスクが高まっていることが分かりました。また主に「脂質」の項目に異常が見られました。これはおそらく生活習慣を改善しなければならないサインとして受け取ることができます。

 現在、世の中はスコアリングエコノミーに移行しつつあります。そうすると今後、自分自身の健康を管理できているかどうかがスコアリングを行うための評価指標になることが予測されます。簡単に言えば、健康な人は高い評価を受け、不健康な人は低い評価を受ける可能性があります。

 もちろん健康管理だけが評価指標となるわけではないでしょう。しかし、前年度と比較して明らかに数値が悪くなっている、あるいは悪化傾向にあり、生活習慣を改善する意図がみられないような場合は、自分自身の健康を管理する能力がないと見なされてもおかしくないわけです。

 不健康によって自分だけが損をするのであれば自己責任として放置することができるかもしれませんが、実際には治療費や通院によって家族や同僚といった周囲に迷惑をかけてしまう恐れもあります。健康管理に遅いも早いもないと思いますので、今後は自分自身の食生活や生活習慣に気をつけていきたいと思います。