まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

読書前ノート(39)日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究 第29号 2023』

目次 日本ヘーゲル学会編『ヘーゲル哲学研究 第29号 2023』(現代思潮新社、2023年) 加藤尚武「科学と哲学の断絶」 真田美沙「ヤコービ哲学における学的証明とその労働に関する批判についての考察——ヘーゲルのヤコービ批判の再検証のために——」 日本ヘーゲ…

読書前ノート(38)ニッコロ・マキァヴェッリ『ディスコルシ 「ローマ史」論』

ニッコロ・マキァヴェッリ『ディスコルシ 「ローマ史」論』(永井三明訳、筑摩書房、2011年) 歴史に学ぶことの実践 これほどまでに外交官としての彼の経験が生かされている書籍があるだろうか。リウィウスの『ローマ史』を参照しているとはいえ、その筆致は…

読書前ノート(37)カルロ・ギンズブルグ『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』

カルロ・ギンズブルグ『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』(上村忠男訳、みすず書房、2020年) 「それでも」の〈逆説〉 従来のマキァヴェッリ研究では「ヴィルトゥ virtù」や「フォルトゥーナ fortuna」という概念が鍵句として参照されてきた。本書の著…

読書前ノート(36)伊藤 邦武/山内 志朗/中島 隆博/納富 信留(責任編集)『世界哲学史』

伊藤 邦武/山内 志朗/中島 隆博/納富 信留(責任編集)『世界哲学史』(筑摩書房、2020年) 「世界哲学史」という新たな試み 「世界哲学史」とは聞きなれない言葉である。「哲学史」に「世界」がかかっているが、この「世界」は形容詞であろうか。形容詞…

ヴィーコ『新しい学の諸原理〔1725年版〕』覚書(1)

目次 はじめに ヴィーコ『新しい学の諸原理〔1725年版〕』 著作の観念 単語 文献 はじめに 以下ではヴィーコ『新しい学の諸原理〔1725年版〕』(上村忠男訳、京都大学学術出版会、2018年)を読む。 本書を取り上げる意義は、まさにヴィーコ『新しい学』の〈…