まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

ドイツ語

マルクス『資本論』覚書(8)

目次 マルクス『資本論』(承前) マルクスの〈価値の現象学〉 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) マルクスの〈価値の現象学〉 (1)ドイツ語版『資本論』初版 ある個別の商品、たとえば一クォーターの小麦は、他の諸商品と最も様…

マルクス『資本論』覚書(7)

目次 マルクス『資本論』(承前) 現象としての「量的関係」 商品に〈内在的な〉交換価値は「形容矛盾」か ル・トローヌ『社会利益論』(1777年、パリ) ニコラス・バーボン『より軽い新貨幣の鋳造に関する論究』(1696年、ロンドン) 文献 sakiya1989.haten…

ベンヤミン「歴史の概念について」覚書(2)

目次 第二テーゼの解釈 羨望と幸福 秘密の索引と密約 文献 sakiya1989.hatenablog.com 第二テーゼの解釈 『個々人のうちには非常に多くの利己心がありながら、どの〔瞬間の〕現在もおのれの未来に対しては一般に羨望を抱かないということは、人間の心の最も…

ベンヤミン「歴史の概念について」覚書(1)

目次 はじめに 第一テーゼの解釈 sollenをめぐる解釈 文献 はじめに 以下ではベンヤミン「歴史の概念について」について書きたいと思う。 ドイツ語の原文はSuhrkamp版のベンヤミン全集を参照し、訳文は第六テーゼまでは平子友長訳(平子2005)を用いる。 第…

マルクス『資本論』覚書(6)

目次 富の〈社会的形式〉と〈素材的内容〉、あるいは「商品」と「使用価値」 十七世紀までの英語圏に見られる〈価値〉の用語法、worthとvalue worth と value の語源学:ゲルマン語派とロマンス語派 市民社会における〈擬制〉 文献 sakiya1989.hatenablog.co…

マルクス『資本論』覚書(5)

目次 有用な物における二つの側面、すなわち〈質〉と〈量〉 「物」はいかにして「有用」たり得るか 磁石の属性と磁極性の発見についての科学史 マルクスによるバーボン批判:諸物に内在する「効力 Vertue 」と使用価値 『資本論』初版における強調(隔字体)…

マルクス『資本論』覚書(4)

目次 〈手段〉としての「商品」 経済学者バーボン 文献 sakiya1989.hatenablog.com 〈手段〉としての「商品」 (1)ドイツ語版『資本論』初版 商品は、まず第一に、外的対象であり、その諸属性によって人間のなんらかの種類の欲望を満足させる物である。こ…

マルクス『資本論』覚書(3)

目次 社会的富の〈基本形式〉として現象する「個別の商品」 〈要素〉と〈集合〉:内田弘による数学的解釈 ungeheure をどう解釈するか 市民社会から資本主義社会の分析へ 文献 sakiya1989.hatenablog.com 社会的富の〈基本形式〉として現象する「個別の商品…

マルクス『資本論』覚書(2)

目次 第一部 資本の生産過程 『資本論』初版と第二版における篇章の区分けの違い 文献 sakiya1989.hatenablog.com 第一部 資本の生産過程 『資本論』第一巻は「第一部 資本の生産過程」に該当する。その「初版序文」において、続編の構成は次のように予告さ…

マルクス『資本論』覚書(1)

目次 はじめに 『資本論』ではなく『資本』 政治経済学 タイトルにおける Zur の有無 『資本論』の邦訳者たち 文献 はじめに 先日Twitterで「資本」という語に言及したTweetを見かけた。詳細は割愛させていただくが、そのTweetの「気持ち」はわからなくもな…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(4)

目次 「哲学」と「解剖学」の違い 文献 sakiya1989.hatenablog.com 「哲学」と「解剖学」の違い さらにヘーゲルは「哲学」が他の分野とは異なる性質をもつ点について、「解剖学」を例にあげて説明する。 これに対して言われなければならないことがある。たと…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(3)

目次 「仮象」としての「哲学」 文献 sakiya1989.hatenablog.com 「仮象」としての「哲学」 続けてヘーゲルは『なぜ「哲学的な著作」においては「序文」が不適切に見えるのか』その理由について述べている。 というのも、なにをどのように、哲学をめぐって「…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(2)

目次 「序文」 「哲学的な著作」における「序文」の意義 文献 sakiya1989.hatenablog.com 「序文」 よく言われることだが、『精神現象学』には「序文 Vorrede 」と「序論 Einleitung 」がある。「序文」も「序論」もほとんど似たような言葉だが、「序文 Vorr…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(1)

目次 はじめに 「学の体系」構想、サブタイトルとしての「精神現象学」 文献 はじめに このシリーズではヘーゲル『精神現象学』(熊野純彦訳、筑摩書房、2018年)を読む。 私が『精神現象学』を読み始めたのは、およそ十年前に遡ることができる。もともとヘ…

アドルノ『音楽社会学序説』覚書(1)

目次 はじめに 『音楽社会学序説』 文献 はじめに このシリーズではアドルノ『音楽社会学序説』(平凡社ライブラリー)を読みます。音楽思想史の一環として。 『音楽社会学序説』 そもそも『音楽社会学序説』(Einleitung in die Musiksoziologie)というタ…

私の外国語学習歴(1)英語・ドイツ語・フランス語

はじめに 今回は「私の外国語学習歴」というタイトルで書きたいと思います。 私が参加しているヘーゲル精神現象学の読書会に、最近中国から留学にやって来た院生が参加するようになりました。その留学生はドイツ語が堪能なので、読書会でのコミュニケーショ…

ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判

目次 はじめに ⒈ 先行研究におけるカント批判という読解 ⒉ コンスタンとカントの虚言論争というコンテクスト 文献 はじめに 今回は「ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判」というテーマで書く。その概要は以下の通りである。 我々は(…

ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」(2)

目次 はじめに 第一テーゼ トルコ人 せむしの小人 おわりに 文献 sakiya1989.hatenablog.com はじめに 前々回に引き続き、ベンヤミン「歴史の概念について」の第一テーゼについて書きたいと思います。 第一テーゼ 周知のように、チェスを指す自動人形が存在…

ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」

目次 はじめに ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」 テーゼV──「過去の真の像」の儚さ ベンヤミンにおける一回性、個別性、瞬間性へのこだわり 文献 はじめに 最近、私はベンヤミンの著作や関連書籍に取り組んでいます。きっかけはInstagramで写真を始め…

ヘーゲル体系における完全性?

目次 はじめに ヘーゲル体系における完全性? 文献 はじめに 今月初めてのブログ更新です。最近ブログの更新が滞っていたのは、ヘーゲルのテクストと真面目に格闘していたからです。真面目に格闘していたと言っても、正直頭が疲れるだけで全然前に進んでいな…

ヘーゲル『精神の現象学』「序言」における《哲学》と《科学》

目次 はじめに 「哲学が科学に高まる」とはどういうことなのか 「序言(Vorrede)」は哲学的著作にとって余計なものなのか 文献 はじめに 今回は、ヘーゲルにおける《哲学》と《科学》について書きたいと思います。 前々回、私は「ホッブズの「哲学=科学」…

イェーリングの「権利感情」論

目次 イェーリング『権利のための闘争』 「権利感情」と「力」 文献 今回はイェーリングの「権利感情」論について書きたいと思います。 イェーリング『権利のための闘争』 イェーリング(Rudolph von Ihering, 1818-1892)の代表作に『権利のための闘争』(D…