まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「世界史」篇(4)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 世界史(承前) ギリシア帝国 ポリスを支えるオイコスにおける「欲求」の担い手としての奴隷身分 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 世界史(承前) ギリシア帝国 第356節 2)ギリシア帝国 こ…

読書前ノート(22)濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か——正社員体制の矛盾と転換』

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か——正社員体制の矛盾と転換』(岩波書店、2021年) 昨今聞かれるようになった「ジョブ型雇用」という用語を生み出したのは、本書の著者である濱口桂一郎(1958-)だという。誤解を恐れず言うならば、日系企業の「メンバ…

読書前ノート(21)斎藤環『100分de名著2022年12月 中井久夫スペシャル 』

斎藤環『100分de名著2022年12月 中井久夫スペシャル 』(NHK出版、2022年) 目の前の人間を尊重する精神医学 中井久夫はいわゆる「DSM-5」に依拠する普遍症候群の精神医学一辺倒ではなく、「個人症候群」というスタンスに基づいて個々の患者に寄り添うという…

読書前ノート(20)A・S・バーウィッチ『においが心を動かす——ヒトは嗅覚の動物である』

A・S・バーウィッチ『においが心を動かす——ヒトは嗅覚の動物である』(太田直子訳、河出書房新社、2021年) 「におい」を忘れずに哲学できるか 「におい」という存在をすっかり忘れていた。このことに気がついたのは、昨日ルミネの化粧品売り場を通りかかっ…

読書前ノート(19)アントワーヌ・アルノー/ピエール・ニコル『ポール・ロワイヤル論理学』

アントワーヌ・アルノー/ピエール・ニコル『ポール・ロワイヤル論理学』(山田弘明・小沢明也訳、法政大学出版局、2021年) 「ロジック」をどう教えるか 4月に入り、私にも社内異動があり、部下は2人から8人へ増えた。——増えすぎじゃないかー?——増えた部下…