まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

弊社の販売契約社員5年満期雇い止めに妥当性はあるか(2)

sakiya1989.hatenablog.com 「ブラック企業」*1とはこのことか、と思った。「ブラック企業」とはもちろん弊社(ソフトバンク株式会社)のことである。こんなことを書いたら私は弊社から訴訟を起こされても仕方がないと思うが、「ブラック企業」という評価に…

弊社の販売契約社員5年満期雇い止めに妥当性はあるか

元部下から連絡がきた。 「お世話になりました。」 当然知ってはいたが、今月で弊社を辞めるのだという。 ちょうど一年前まで自分が担当していた。働きぶりも良く、雇い止めになるという事実は受け入れ難い。 自分が販売契約社員だったときには5年経ったら無…

読書前ノート(18)藤原辰史『植物考』

藤原辰史『植物考』(生きのびるブックス、2022年) 「植物性」とは何か 先日仕事でトラックを待っていたら、予定の時刻になってもトラックが到着せず、ドライバーから遅延の連絡もなかったので、ただひたすらボーッと景色を眺めていた。その際に、一つの植…

ヘーゲル『宗教哲学講義』覚書(2)

目次 ヘーゲル『宗教哲学講義』(承前) 対象となる宗教はどのような領域か (1)マールハイネケ版(1832年) (2)B. バウアー版(1840年) 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『宗教哲学講義』(承前) 対象となる宗教はどのような領域か Der Gege…

ヘーゲル『宗教哲学講義』覚書(1)

目次 はじめに ヘーゲル『宗教哲学講義』 序文 宗教哲学のコンテクスト 文献 はじめに 本稿ではヘーゲル『宗教哲学講義』(夏学期1827年、GW版2021年)を読む。 ヘーゲルの『宗教哲学講義』は、我々にとってヘーゲルのテクストの中でも最も取っ付きにくいも…

読書前ノート(17)D. F. シュトラウス『イエスの生涯』

D. F. シュトラウス『イエスの生涯』(岩波哲男訳、教文館、1996年) ヘーゲル左派運動はここから始まった ドイツの宗教批判は本書から始まり、フォイエルバッハやバウアー、マルクスへ影響を与えた。著者のダーフィト・シュトラウス(David Friedrich Strau…

マルクス「ユダヤ人問題によせて」覚書(2)

目次 マルクス「ユダヤ人問題によせて」(承前) ブルーノ・バウアーの著作への書評という形式 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス「ユダヤ人問題によせて」(承前) ブルーノ・バウアーの著作への書評という形式 マルクス「ユダヤ人問題によせて」 ブ…

読書前ノート(16)佐藤貴史『ドイツ・ユダヤ思想の光芒』

佐藤貴史『ドイツ・ユダヤ思想の光芒』(岩波書店、2015年) 20世紀ドイツのユダヤ思想 本書では、主に20世紀のドイツ・ユダヤ人思想家たち——ヘルマン・コーエン(Hermann Cohen, 1842-1918)、マルティン・ブーバー(Martin Buber, 1878-1965)、ゲルショム…

マルクス「ユダヤ人問題によせて」覚書(1)

目次 はじめに マルクス「ユダヤ人問題によせて」 問題関心の類型 文献 はじめに 本稿ではマルクス「ユダヤ人問題によせて」(Zur Judenfrage, 1844)の読解を試みる。 「ユダヤ人問題によせて」は、1844年にマルクスがルーゲと共同編集でパリで出版した『独…

清少納言『枕草子』覚書(3)

目次 清少納言『枕草子』 第二段 月からみた一年 文献 sakiya1989.hatenablog.com 清少納言『枕草子』 第二段 月からみた一年 北村1674(早稲田大学図書館古典籍総合データベース:文庫30_e0094_0001_p0007) 頃は、正月。三月。四・五月。七月。八・九月。…