まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

デカルト『情念論』における「精神」の概念について(1)

はじめに 本稿ではデカルト『情念論』における「精神」の概念について考察する。筆者の問題関心についてはすでに「デカルト『方法序説』覚書(1)」の「はじめに」で以下のように述べておいた。 私の問題関心は「魂」「心」「精神」「意識」「知能/知性」の…

デカルト『方法序説』覚書(1)

目次 はじめに デカルト『方法序説』 文献 はじめに 先日「ポスト哲学の条件」を書いた際に、〈心身二元論〉に言及したことがきっかけで、デカルトを読み直したいと思うようになった。 私の問題関心は「魂」「心」「精神」「意識」「知能/知性」の概念をどの…

「日本国憲法」覚書(1)

目次 はじめに 日本国憲法 上諭・御名御璽・大臣の副署 憲法改正の手続主義 大日本帝国憲法と日本国憲法の不/連続性? 憲法改正は「革命」たり得るか 文献 はじめに 一昨日から体調を崩していて、その上5泊6日の出張が重なっていて、仕事を休むわけにもいか…

ポスト哲学の条件

目次 はじめに 心身二元論における知能と魂 おわりに はじめに 生成AIが出力したデータを生成AIに食わせるとモデル崩壊が起きるというニュースを見るにつけて、今後は人間が自分の頭で考えて書いた/描いたものの、オリジナルとしての価値は高まると思う。 …

Why is Life Boring?

Contents Introduction Why is Life Boring? Communication is made of despair Conclusion Introduction Since we are born as human beings, we cannot stop life so easily and must live under given circumstances. No matter how boring life may be, …

なぜ人生はつまらないのか

目次 はじめに なぜ人生はつまらないのか コミュニケーションは絶望で出来ている おわりに はじめに 人は人として生まれてしまったからには、そうやすやすと生命を止めるわけにもいかず、所与の状況下で生きていかなければならない。いくら人生がつまらない…

ハンナ・アーレント『活動的生』覚書(2)

目次 ハンナ・アーレント『活動的生』(承前) 第一章 人間の被制約性 アウグスティヌスの二つの問い 文献 sakiya1989.hatenablog.com ハンナ・アーレント『活動的生』(承前) 第一章 人間の被制約性 アウグスティヌスの二つの問い アーレントはアウグステ…

ハンナ・アーレント『活動的生』覚書(1)

目次 はじめに ハンナ・アーレント『活動的生』 序論 近代と現代世界 文献 はじめに 以下ではハンナ・アーレント(森一郎訳)『活動的生』(Hannah Arendt, Vita Activa Oder Vom Tatigen Leben)を読む。本書の英語版は長らく『人間の条件』(Hannah Arendt…

Human is an Artistic Animal

Contents Introduction Human is an Artistic Animal Can generative AI create original? Conclusion Introduction Aristotle found man's nature in his activity for the good as a member of the political society, and he wrote that "man is by his n…

写本という経験

目次 はじめに 写本という経験 図式 装飾 註解 音符 おわりに はじめに どうも人生が退屈で飽きてしまったので、国立西洋美術館に行ってきた。というのも、私が自分なりに生成AIの考察を何度か重ねた結果、人間と生成AIとの相違はフィジカルな経験の有無にあ…

人間とは美術する動物である

目次 はじめに 人間とは美術する動物である 生成AIはオリジナルを作れるか おわりに はじめに アリストテレスは人間の本性を政治社会(ポリス)の一員として善を志向して活動することのうちに見いだし、このことを指して「人間とはその本性からしてポリス的動…