まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

アリストテレス『政治学』覚書(1)

目次 はじめに アリストテレス『政治学』 共同体の目的と国家共同体について 単語 ラテン語訳 文献 はじめに 今日、我々にとって、アリストテレス『政治学』(Ἀριστοτέλης, Τα Πολιτικά)は何を残すか。 本書は政治哲学および国家学の古典と言われる。従来、…

総括資料が書けない

はじめに 前回の総括資料作成が5月であったから、およそ5ヶ月しか経っていないのだが、再び総括資料をつくる時期になってしまった。下期に入り、再び異動になってしまったのも束の間、「上期は何をしたか」「下期はどうするか」を考えなければならない。もち…

フーコー的実践——〈パノプティコン〉論のポテンシャル(1)

目次 はじめに 一般化可能な作用モデルとしての〈パノプティコン〉 文献 はじめに 前回、パノプティコン型マネジメントについて言及した。それに伴い、手元にあるフーコーの文献を捲ってみたら、直近では〈パノプティコン〉への言及がほとんどないことに気が…

悪用の人文学——パノプティコン型マネジメントの罪とその贖い

〈パノプティコン〉は一般化が可能な一つの作用モデルとして理解されなければならない。人間の日常生活と権力との諸関係を規定する一つの方法として—— (ミシェル・フーコー『監獄の誕生——監視と処罰』田村俶訳、新潮社、1977年、207頁) 目次 はじめに 非正…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(12)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 教養形成の始まり 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 教養形成の始まり 自己を形成し教養を身につけ(ビルドゥング)、実体的生命の直接態から抜け出す(ヘラ…

読書前ノート(35)マルセル・モース『贈与論 他二篇』

マルセル・モース『贈与論 他二篇』(森山工訳、岩波書店、2014年) 純粋な「贈与」と不純な「贈与」 私の仕事は「販売」なのだが、「販売 sales」と「贈与 don(仏), gift(英)」とのあいだには、少なからぬ隔たりがある。企業は「ノベルティ(販促品)」と称…