まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

読書前ノート(5)

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読書前ノート(承前)

イアン・ハッキング『数学はなぜ哲学の問題になるのか』(金子洋之・大西琢朗訳、森北出版、2017年)

 最近興味を持っているのが、数学と哲学の関係である。かの偉大な哲学者プラトンは、自身の設けたアカデメイアという学園において、算術や幾何学天文学を哲学入門するための必修科目とした。

 もし現代にアカデメイアを復活させるとしたら、我々は哲学に入門するためにどのような学問を必修科目とすべきであろうか。数学の歴史一つ取ってみても、数学の進歩が哲学に与えた影響は計り知れない。デカルトによる「座標」を用いた幾何学への貢献や、ライプニッツ微積分に与えた影響は、彼らの哲学といかに関わっているかということも問題となり得る。

 哲学や思想の研究において数学上の概念が転用されることもある。東浩紀『一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル』(講談社、2011年)では、ルソーの「一般意志」の概念が、数学の「ベクトル」(→)の概念を用いて説明された。その限りでは、現代に生きる我々が『社会契約論』を研究するためには、数学Bまでは修めておく必要があるだろう。

 本書がこういった問題関心への解決の緒になるかどうかはわからないが、少なくとも数学と哲学が密接に関わっていることは間違いない。しかも、表題の通り、「数学が哲学の問題になる」ならば、数学と哲学は相互に外的ではなく内的な連関を持っているはずである。

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