まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

学術的なことは何も出来ません

 最近このブログが全然更新できてないことがお分かりいただけるだろうか。とにかく仕事の方に傾倒しなければとてもやっていけないほど今は余裕がないのである。もちろん休日はあるが、休日は仕事のメールを見てしまうし不安しかない。不安を搔き消すためにビジネス書を買って読んだりする。というわけで、ヘーゲルマルクスもその他学術書を読むことはままならなくなってしまった。おそらくこの傾向は半年ぐらい続くのではないかと予想している。研究は出来なくなったけれども、一応本は読んでいるから、今回はその報告をさせていただこう。

不定形の課題を定形の課題でバランスを取る

 仕事への不安から毎週ジェットコースターに乗っているような気分で過ごしているのだが、そんな気持ちを紛らわすためにジュンク堂池袋店を彷徨っていたところ、学習参考書コーナーに入り込んでしまった。高校生の頃に本厚木の有隣堂で参考書を選んでいた頃が懐かしい。『数学のチャート式シリーズってこんなに分厚かったっけ』などと思う。そして手に取ったのがZ会の『速読英単語』だ。高校生の頃の自分だったら『速読英単語』の「入門編」を手に取る気にはならず、むしろ背伸びをして『リンガメタリカ』を買ってきたりしていた。『リンガメタリカ』は専門分野の用語をピックアップした英文を収録しており、すでに高校生の私がその頃に学術的興味を持っていた証左かもしれないが、今になって思うと、「入門編」がしっかり読めるなら大学受験の英文には十分に太刀打ちできるのではないかと考える。「入門編」が読めれば、アダム・スミスの『国富論』を原書で読むのも問題ないはずである。

もう一冊手に取ったのがZ会の『実力をつける世界史 100題』だ。こちらも一問一答と論述問題がバランスよく配置されており、これ一冊をやり込めばかなり実力がつくのではないかと思われる。論述問題の解説を読むと、文字数に組み込むべきポイントが示されていて、世界史で得点を稼ぐためのコツがわかるようになっているし、問題と解説を読み込むことで時代の背後にある思想も垣間見えるようになっている。今では休日にこれら二冊を持ち歩き、電車の中で軽く英文を読んだり、世界史の問題を解いたりしている。

 ところで、『どうして今更、休日に学習参考書の問題を解いているのか?』『それが一体何の役に立つのか?』と疑問に思われたかもしれない。世界史の知識を補ったところで、何か仕事に役立つとは私にも思えない。だが、事実、私はこれらの学習参考書を休日に持ち歩いて解いている。仕事上優先して考えなければならない課題は他にあるのだが、まるで仕事から逃れようとするかのように問題を解かずにはいられないのである。もしかすると、仕事は明確な答えがないがゆえにプレッシャーを感じているのだが、学習参考書の問題は明確な答えを用意してくれているので、安心して取り組むことができるし、その安心感を得るために学習参考書の問題を徐に解いているのかもしれない。あるいは、仕事で不定形の課題ばかりと向き合っていると非常に辛いので、プライベートでは定形の課題と向き合うことで心身のバランスを取り戻そうとしているのかもしれない。