まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

インシュレーターを買いました

目次

定在波とインシュレーター

 前回有機ELテレビやサウンドバーを購入したと書いたが、その続きである。わざわざ購入したSONYサウンドバーの音質に満足できず悩んでいた。というのも、有機ELテレビに内蔵されているスピーカーの方が声が聞き取りやすく臨場感に溢れていたからだ。『さすがにサウンドバーとして独立した商品として販売するのに音質が雑魚すぎるのでは?』との疑念を隠せなくなった。

 その疑念を払拭するきっかけとなったのが、たまたまネットで見かけた「定在波」について書かれた次の記事である。

av.watch.impress.co.jp

貪るようにして記事を読んだ。音は波の性質を持っている。空気を通じて振動が伝わり、部屋の中で反射するわけである。スピーカーの性能を引き出すには置く場所も考慮する必要があるというわけだ。波であるから、スピーカーの置き場所によっては音波が相殺されて聴き取り難くなる可能性もある。

 併せてAmazonレビューに設置の仕方を詳しく書いているユーザーがいた。購入前にも読んだが、改めて重要だと思ったので入念に読み直してみた。

ミュージシャンのオーディオオタクです(Accupahseのアンプをはじめいろんなモニタースピーカーやヘッドホンなどを利用しています)。 マンション住まいですが、プロジェクターを利用して100inch超で映画やPrimeビデオなどを見るのに合わせて使っています。音声はプロジェクターからBlootoothを使って飛ばしています。利便性や音的に丁度良い具合だと感じます。

・ほかの方のレビューのある通りサブウーファーはなく低音はガンガンではありません。いやらしく盛った低音処理もありません。但し背面の小さなバスレフが優しく低域を支えてくれていますので、映画のアクションシーンなどはテレビの内臓スピーカーなどに比べ十分迫力があります。マンションなどで騒音が気になる方は丁度良いバランスだと思います。

Bluetoothはsbcコーデックですが、特に遅延を感じません。また映像作品を見る際に音質劣化は一切気になりません。

・セールで買ったのですが、値段から考えると十分納得できる良い音質だと感じます。全域フラットではなく、家庭での映像視聴用にある程度チューニングされた音だと思います。広がりは本機大きさより広くもなく狭くもないです。疑似サラウンドもスタンダードではあまり感じません。シネマモードにすると上下左右に広がる感があります。

・但し本機を扱うには注意点があります。買って封を開け設置して直ぐは「あまり音が良くない」と感じました。

①底のゴム足が低く設置面とかなり近く音質が損なわれるため、金属製インシュレーターを底面に入れ接地面から1cmくらい高さを保ったところ音が良くなりました。インシュレーターの種類は何でも良いと思います。

②背面に対しても同様です。バスレフ面が背面にあるので壁から少し離して設置するように気を付けてください。低音以外に音の広がりもよくなります。

エージングでかなり音が良くなりますので注意してください。50時間くらいで全域に渡って音抜けが良くなり、耳障りな感もなくなります。

(clint「マンションでプロジェクター見るのにちょうど良いです。」)

www.amazon.co.jp

なるほど、後半で本機を扱う際の注意点について書かれている。「インシュレーター」という知らない用語が出てきた。なんだそれは。「インシュレーター」についてネットで調べてみたところ、スピーカーの底面に設置するものだということがわかってきた。十円玉で代用することも可能だそうだが、「インシュレーター」をスピーカーの底面に置くだけで音質が変わるのだという。マジか。試さない手はない。

 ここまでスピーカーにおける「定在波」と「インシュレーター」について学んできたのであるが、これらを知った時、私は仕事でホテルに宿泊しており自宅で試すことができなかった。とりあえずAmazonで先に「インシュレーター」を注文し、帰宅したら音質の変化を確かめてみることにした。

オーディオテクニカ ハイブリッドインシュレーター

 というわけで、自宅に届いたのがこちらのインシュレーターである。

中を開けると、小さな円柱の真鍮でできたインシュレーターが入っていた。底面はコルクでできている。インシュレーターは素材によって音の傾向が変わるという。インシュレーターの素材には金属、木材、ゴム、樹脂などがある。私が購入したインシュレーターは真鍮とコルクという二つの素材を組み合わせて作られているから「ハイブリッド」なのである。

インシュレーターをさっそくサウンドバーの底面の四隅に置いてみた。定在波を考慮して、テレビスタンドの位置を部屋の真ん中へと移動させた。すると…。

なんと本当に音質が変わった!臨場感も違うし声の聞き取りやすさも全然違う。TV本体内蔵スピーカーよりもサウンドバーの音質の方が圧倒的に良くなった。

 インシュレーターを設置する時にサウンドバーの裏面を見て気づいたのだが、サウンドバー本体には薄いゴムの設置面が四隅と中央に一点、計五点付いていた。しかし、サウンドバーが横に広く土台からはみ出してしまっていたので、中央の一点だけでサウンドバー本体をずっと支えた状態で音を出していたのだ。これではサウンドバー本来の性能を引き出すべくもない。無知ゆえに『音質が雑魚すぎる』とか思ってしまい本当に申し訳ない。サウンドバー一つ使いこなすにも多少の知恵が必要なのである。