まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

2022-01-01から1年間の記事一覧

フォイエルバッハ『将来の哲学の根本命題』覚書(2)

目次 フォイエルバッハ『将来の哲学の根本命題』(承前) 近世の課題 文献 sakiya1989.hatenablog.com フォイエルバッハ『将来の哲学の根本命題』(承前) 近世の課題 先ず最初にフォイエルバッハは,いきなり「将来の哲学」について語る前に,それ以前の「…

フォイエルバッハ『将来の哲学の根本命題』覚書(1)

目次 はじめに フォイエルバッハ『将来の哲学の根本命題』(1843年) 文献 はじめに 本稿ではルートヴィヒ・アンドレアス・フォイエルバッハ(Ludwig Andreas Feuerbach, 1804-1872)の『将来の哲学の根本命題』(Grundsätze der Philosophie der Zukunft, 1…

インシュレーターを買いました

目次 定在波とインシュレーター オーディオテクニカ ハイブリッドインシュレーター 定在波とインシュレーター 前回有機ELテレビやサウンドバーを購入したと書いたが、その続きである。わざわざ購入したSONYのサウンドバーの音質に満足できず悩んでいた。とい…

有機ELテレビを買いました

目次 最近購入したもの LG 55型 4Kチューナー内蔵 有機EL テレビ アイリスプラザ テレビ台 ハイタイプ ソニー サウンドバー / HT-S100F 最近購入したもの 引っ越しを機にテレビを購入した。3LDKの家に引っ越してきたので、大型テレビを置く余裕ができた。前…

県外引っ越し

4月以降の転勤先があまりにも遠くて通えないので、引っ越しをすることにした。県外へ引っ越しするのは初めてである。異動の辞令が出たのが3月3週目過ぎた頃だったので、とにかく時間がない。先週、たまたま内覧しに行った1件目の物件があまりにも優良物件だ…

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「世界史」篇(2)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 世界史(承前) 四つの世界史的帝国 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 世界史(承前) 四つの世界史的帝国 第354節 これら四つの原理に従って,世界史的帝国には次の四つが存在する.(1)…

読書前ノート(7)梅田百合香『ホッブズ リヴァイアサン シリーズ世界の思想』

梅田百合香『ホッブズ リヴァイアサン シリーズ世界の思想』(KADOKAWA、2022年) 「シリーズ世界の思想」という企画を立ち上げたのは一体どのような人物なのか、ということが気になっている。というのも、各思想家を担当する執筆者の人選が抜群に優れている…

デカルトにとっての〈数学〉:『方法序説』を中心に

目次 デカルトにとっての〈数学〉:『方法序説』を中心に 文献 sakiya1989.hatenablog.com デカルトにとっての〈数学〉:『方法序説』を中心に ここでは先ず、デカルトが〈数学〉についてどのように考えていたのかという点について、彼の『方法序説』を中心…

〈哲学〉と〈数学〉の関係を考える

目次 はじめに 思考実験その一:〈哲学〉と〈数学〉の四則演算 思考実験その二:等式の変形 〈哲学〉の条件としての〈数学〉 文献 はじめに 〈数学〉の発展がその時代の〈哲学〉に与えた影響は決して少なくない。かの偉大な哲学者プラトンは、算術・幾何学・…

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「抽象法」篇(1)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第一部 抽象法 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第一部 抽象法 第34節 即自的かつ対自的に自由な意志も,この意志がその抽象的概念においてある場合には,直接性〔無媒介性〕という規定性の…

読書前ノート(6)佐藤直樹『基礎から身につく「大人の教養」』/カート・セリグマン『魔法』

目次 佐藤直樹『基礎から身につく「大人の教養」 東京藝大で教わる西洋美術の見かた』(世界文化社、2021年) カート・セリグマン『魔法 その歴史と正体』(平田寛・澤井繁男訳、平凡社、2021年) 佐藤直樹『基礎から身につく「大人の教養」 東京藝大で教わ…

読書前ノート(5)イアン・ハッキング『数学はなぜ哲学の問題になるのか』

イアン・ハッキング『数学はなぜ哲学の問題になるのか』(金子洋之・大西琢朗訳、森北出版、2017年) 最近興味を持っているのが、数学と哲学の関係である。かの偉大な哲学者プラトンは、自身の設けたアカデメイアという学園において、算術や幾何学、天文学を…

読書前ノート(4)蛯谷敏『レゴ——競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方』

蛯谷敏『レゴ——競争にも模倣にも負けない世界一ブランドの育て方』(ダイヤモンド社、2021年) 「ソフトバンクでは「レゴシリアスプレイ」を活用している」という記事を読まなかったら、おそらく私が本書を手に取ることは無かっただろう。そもそも私は生まれ…

読書前ノート(3)前田鎌利『課長2.0 リモートワーク時代の新しいマネージャーの思考法』

前田鎌利『課長2.0 リモートワーク時代の新しいマネージャーの思考法』(ダイヤモンド社、2021年) 前田鎌利さんはソフトバンクのOBであり、本書ではその頃の経験に基づいてマネージャーのノウハウが語られている。東浩紀『一般意志2.0』を彷彿させるタイト…

読書前ノート(2)岩波哲男『ヘーゲル宗教哲学入門』

岩波哲男『ヘーゲル宗教哲学入門』(理想社、2014年) 神保町の三省堂書店でたまたま本書を見つけて手に取った。ヘーゲルの著作の背後には、常に宗教性(とりわけキリスト教の)が垣間見える。それは『精神現象学』であれ、『論理学』であれ、『エンツュクロ…

読書前ノート(1)赤松明彦『『バガヴァッド・ギーター』』/臼杵陽『大川周明』/エドワード・J・ワッツ『ヒュパティア』

目次 読書前ノート 赤松明彦『『バガヴァッド・ギーター』——神に人の苦悩は理解できるのか?』(岩波書店、2008年) 臼杵陽『大川周明 イスラームと天皇のはざまで』(青土社、2010年) エドワード・J・ワッツ『ヒュパティア 後期ローマ帝国の女性知識人』(…

ヘーゲル『精神現象学』読書会予習(1)

目次 はじめに ヘーゲル『精神現象学』 精神 啓蒙の主張 文献 はじめに 以下の内容は私が参加しているヘーゲル『精神現象学』読書会予習のためのメモであり,第三者に読まれることは想定していない. ヘーゲル『精神現象学』 精神 啓蒙の主張 第一に啓蒙は,…

承認のリーダーシップと言葉の生命力

目次 はじめに 承認のリーダーシップ 言葉の生命力を信じる 人々を笑顔にする仕事は直接目に見えない はじめに 最近YouTubeで鴨頭嘉人(1966-)さんの講演を聴いている.しかも繰り返し繰り返しである.鴨頭さんの講演が素晴らしく面白く仕事の為になり,他…

バウムガルテン『美学』覚書(1)

目次 はじめに バウムガルテン『美学』第一巻 序論 美学に装飾された〈花冠〉 感性的認識の〈学問〉としてのバウムガルテン美学 美の表象の複合体としての〈感性的認識〉 文献 はじめに 本稿ではアレクサンダー・ゴットリープ・バウムガルテン(Alexander Go…

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「世界史」篇(1)

目次 ヘーゲル『法の哲学』 世界史 「世界史」における「普遍的精神」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』 世界史 「世界史」における「普遍的精神」 第341節 普遍的精神が定在する境位は,芸術においては直観と像,宗教においては感情と…

ヘーゲル『法の哲学』における「世界史」の位置付け

目次 はじめに なぜ「世界史」は『法の哲学』の最後に位置付けられているのか 「世界法廷」としての「世界史」 文献 はじめに 以下では,ヘーゲル『法の哲学』における「世界史」の位置付けについて見ていきたい. ヘーゲルの世界史の哲学,あるいは歴史哲学…