まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

ホッブズ『リヴァイアサン』覚書(1)

目次

はじめに

 この連載ではホッブズ『リヴァイアサン』(水田洋訳、岩波文庫)を読んでいきたいと思う。なお『リヴァイアサン』の初版の種類と口絵については下記リンク先を参照されたい。

sakiya1989.hatenablog.com

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リヴァイアサン』のタイトルについて

 Googleブックスで『リヴァイアサン』初版を確認してみると、表紙には「マームズベリーのトマス・ホッブズ著『リヴァイアサン、すなわち、教会的および市民的国家コモンウェルスの質料、形相、および力』(LEVIATHAN, OR The Matter, Forme, & Power OF A COMMON-WEALTH ECCLESIASTICALL AND CIVILL. By THOMAS HOBBES of Malmesbury. London, 1651)」と書いてある。

Hobbes1651

「質料 Matter 」と「形相 Forme 」に「力 Power 」を並置したところにホッブズの妙味がある。ホッブズはしばしばアリストテレスを批判しているが、「質料」と「形相」はアリストテレスの術語として知られている。それらにホッブズが「力」を加え並べたのは、ガリレオ以後の自然哲学、つまり力学的世界観の導入が背景にあるのではないだろうか。あるいは同じことであるが、Powerは、本書が政治哲学の書物として受け入れられている限りではもっぱら「権力」として理解されているのだが、しかし同時に本書が自然学との連関を示すものとしても理解されうるのではないだろうか。

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文献