まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

ドイツ語

マルクス『資本論』覚書(1)

目次 はじめに マルクス『資本論』 政治経済学の批判 タイトルにおける Zur の有無 『資本論』の邦訳者たち 文献 はじめに 本稿ではマルクス『資本論』(岡崎次郎訳、大月書店)を読む. マルクス『資本論』 まず『資本論』(初版)の表題紙をご覧いただきた…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(4)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「哲学」と「解剖学」の違い 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「哲学」と「解剖学」の違い さらにヘーゲルは「哲学」が他の分野とは異なる性質をもつ点につ…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(3)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「仮象」としての「哲学」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「仮象」としての「哲学」 続けてヘーゲルは〈なぜ「哲学的な著作」においては「序文」が不適切…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(2)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文 「哲学的な著作」における「序文」の意義 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文 よく言われることだが,『精神現象学』には「序文 Vorrede 」と「序論 Einleitung 」がある.「序…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(1)

目次 はじめに ヘーゲル『精神現象学』 「学の体系」構想,サブタイトルとしての「精神現象学」 文献 はじめに このシリーズではヘーゲル『精神現象学』(熊野純彦訳,筑摩書房)を読む. 私が『精神現象学』を読み始めたのは,およそ十年前に遡ることができ…

アドルノ『音楽社会学序説』覚書(1)

目次 はじめに 『音楽社会学序説』 文献 はじめに このシリーズではアドルノ『音楽社会学序説』(平凡社ライブラリー)を読みます。音楽思想史の一環として。 『音楽社会学序説』 そもそも『音楽社会学序説』(Einleitung in die Musiksoziologie)というタ…

私の外国語学習歴(1)英語・ドイツ語・フランス語

はじめに 今回は「私の外国語学習歴」というタイトルで書きたいと思います。 私が参加しているヘーゲル精神現象学の読書会に、最近中国から留学にやって来た院生が参加するようになりました。その留学生はドイツ語が堪能なので、読書会でのコミュニケーショ…

ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判

目次 はじめに ⒈ 先行研究におけるカント批判という読解 ⒉ コンスタンとカントの虚言論争というコンテクスト 文献 はじめに 今回は「ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判」というテーマで書く。その概要は以下の通りである。 我々は(…

ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」(2)

目次 はじめに 第一テーゼ トルコ人 せむしの小人 おわりに 文献 sakiya1989.hatenablog.com はじめに 前々回に引き続き、ベンヤミン「歴史の概念について」の第一テーゼについて書きたいと思います。 第一テーゼ 周知のように、チェスを指す自動人形が存在…

ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」

目次 はじめに ベンヤミンの遺稿「歴史の概念について」 テーゼV──「過去の真の像」の儚さ ベンヤミンにおける一回性、個別性、瞬間性へのこだわり 文献 はじめに 最近、私はベンヤミンの著作や関連書籍に取り組んでいます。きっかけはInstagramで写真を始め…

ヘーゲル体系における完全性?

目次 はじめに ヘーゲル体系における完全性? 文献 はじめに 今月初めてのブログ更新です。最近ブログの更新が滞っていたのは、ヘーゲルのテクストと真面目に格闘していたからです。真面目に格闘していたと言っても、正直頭が疲れるだけで全然前に進んでいな…

ヘーゲル『精神の現象学』「序言」における《哲学》と《科学》

目次 はじめに 「哲学が科学に高まる」とはどういうことなのか 「序言(Vorrede)」は哲学的著作にとって余計なものなのか 文献 はじめに 今回は、ヘーゲルにおける《哲学》と《科学》について書きたいと思います。 前々回、私は「ホッブズの「哲学=科学」…

イェーリングの「権利感情」論

目次 イェーリング『権利のための闘争』 「権利感情」と「力」 文献 今回はイェーリングの「権利感情」論について書きたいと思います。 イェーリング『権利のための闘争』 イェーリング(Rudolph von Ihering, 1818-1892)の代表作に『権利のための闘争』(D…