まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

〔翻訳〕ニコラス・バーボン『より軽い新貨幣の鋳造に関する論究』(6)

目次

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ニコラス・バーボン『より軽い新貨幣の鋳造に関する論究』(承前)

富、および諸物の価値について(承前)

価値は何によって変化するか
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 精神の諸欲求を満たす諸物は、ただ評判オピニオンだけを頼りにしている想像上のあるいは人為的な価値しか持っておらず、そしてそれらの物の諸価値は、それらの物を使用する人たちの気分ユーモア気まぐれファンシーにつれて変化する。そしてそれらは、流行遅れであるがゆえにその価値を失う高級なリッチ衣服のようである。

(Barbon1696: 4-5)

すでに以前のパラグラフで見たように、「精神の諸欲求を満たす諸物」はアクセサリーのような奢侈品であり、そうしたものを身に着ける富豪は他人の「評判 opinion 」に価値の軸を置いているといえる。だから金持ちの「気分や気まぐれ」によってコロコロと価値が変動してしまう。流行が廃れればその物にもはや用はなくなり、価値もなくなる。

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 諸物の価値を創出するのは、諸物の機会と有用性である。そして諸物の機会または使用の観点では、諸物をより大きなまたはより小さな価値のものにするのは、諸物の豊富さまたは希少性である。豊富さは諸物を安価にし、希少性は諸物を高価にする。

(Barbon1696: 5)

バーボンは「諸物の機会有用性」に着目する。物が「豊富 Plenty 」であるということは、その物を使う「機会 occasion 」が十分多くあるということでもある。だが、「機会」ばかり多くても、その物に「有用性」が無ければ意味がない。だから「諸物の機会」だけでもダメで、「諸物の機会有用性」はセットなのである。

 あとはよく知られるように、物が多ければ多いほど価格が下がり、安価となる。また「希少価値」と言われるように希少な物の価値は高くなる。これは要するに供給量の問題である。

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