まだ先行研究で消耗してるの?

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「YouTube Music」について

目次

 今回はGoogleの新サービス「YouTube Music」について書きたいと思います。

YouTube Musicの登場

 11月に個人用スマホをPixel 3 XLにしました。Pixel 3の購入者にはいくつかの特典があり、特典の一つとして「YouTube Music Premium」の6ヶ月間無料トライアルがありましたので、早速利用してみました。

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 「YouTube Music」は日本では2018年11月14日に公開されたばかりのサービスです*1

 「YouTube Music」には有料版と無料版があり、有料版を「YouTube Music Premium」と言います。無料版には広告があり、有料版には広告がありません。ユーザーにとっては広告がない方が良いですが、Googleにとっては無料版なら広告収入によって、有料版ならサブスクリプションによって収益化が可能です。

 なお有料版の金額はGoogle Playから申し込んだ場合とAppleApp Storeから申し込んだ場合とで異なっており、Google Play経由の場合が月額980円であるのに対して、App Store経由の場合は月額1,280円と少し割高に設定されています。

YouTube動画×バックグラウンド再生=最強

 「YouTube Music Premium」の大きなウリはバックグラウンド再生ができることです。残念ながら、無料版の「YouTube Music」ではバックグラウンド再生はできません。

 バックグラウンド再生のメリットは、画面をオフにしても音楽を聞くことができる点です。

 通常、YouTubeにアップロードされている音楽を聴く場合、画面を常にオンにしていなければなりません。これだと、ただ音楽を聴きたいだけなのに、画面オンのためにバッテリーを消耗してしまいます。

 これに対して、有料版の「YouTube Music Premium」では、「YouTube Music」で配信されている音楽だけでなく、YouTubeにアップロードされている動画も含めて、バックグラウンド再生が可能となります。これによって、以前と比べてバッテリー持ちを気にせずに音楽を気軽に楽しめるようになりました。

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SpotifyにとってYoutube Musicは脅威

 「YouTube Music」の競合他社としてすぐに思い浮かぶのがSpotifyです。両方のサービスを利用したことがある人ならすぐに分かりますが、「YouTube Music」のプレイリストは、明らかにSpotifyのそれを模倣し、アレンジしています。

 「YouTube Music」とSpotifyは有料版と無料版がある点で似ていますが、細かいサービス内容は異なっています。Spotifyは無料版でもバックグラウンド再生が可能です。音質(ビットレート)の点では「YouTube Music」*2よりもSpotify*3の方が優れていると言えます。

 しかしながら、両者には決定的な違いがあります。それは「YouTube Music」だけが、YouTubeにアップロードされた豊富な音楽コンテンツ*4を再利用できるという点です。これだけは同業他社が絶対に真似できない点です。

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試用期間の長期化戦略:フリーミアムとサプスクリプション

 「YouTube Music」のように無料版と有料版があるようなビジネスモデルを「フリーミアム*5と言います。フリーミアムは、フリー(無料)とプレミアム(有料)の組み合わせで成り立っており、一般的にフリーからプレミアムに切り替わる割合は非常に小さいと言われます。

 ここで一つ気づくことがあります。「YouTube Music Premium」はサブスクリプションというビジネスモデルが巧みに導入されています。特にGoogleサブスクリプションが他のサービスと違うのは、無料で試用できる期間が長いことです。通常のサブスクリプションは、1ヶ月間無料や30日間無料というように期間が短いことが多いのですが、Googleの「YouTube Music」の場合は3ヶ月や6ヶ月と通常の倍以上長い期間、無料で試用できます。

 長い試用期間の効果はおそらく絶大です。なぜならユーザーは「忘れないうちに早く解約しなきゃ」と心配する必要がないので、安心してサービスを利用してしまいます。従来の1ヶ月間だけの試用期間では、サービスを使うことが習慣化しないまま解約されてしまっていたかもしれません。しかし、3ヶ月や半年と長く試用すればするほど、ユーザーはそのサービスを使うことが生活の一部となってしまい、やめることができなくなってしまうかもしれません(ニコチン中毒のように…)。

  

*1:YouTube Music」は、日本に先んじて、2018年5月22日にアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコの4カ国で公開された。

*2:YouTube Musicの音楽はAACエンコードされている。無料版では標準音質128kbpsで再生される。有料版のYouTube Music Premiumユーザーは音質を選択することができるようになり、高音質では256kbpsで再生できる。アプリ初期設定では標準音質になっている為、うっかり標準音質のまま有料版を使い続けないように注意されたい。もしあなたが有料版のYouTube Music Premiumを利用しているなら、「常に高音質」に設定しておくことをおすすめする。

*3:Spotifyの場合、一部AACで配信されるという例外を除いて、基本的にはOgg Vorbisエンコードされており、標準音質では160kbps、最高音質では320kbpsで再生される。

*4:ただし、「YouTube Music」で再生できるのは、YouTubeにアップロードされた全ての動画ではない。YouTubeのあらゆる動画をバックグラウンド再生したければ、「YouTube Premium」に申し込む必要がある。

*5:クリス・アンダーソンは、フリー(無料)のビジネスモデルを四つに分けた上で、次のように述べている。「『フリーミアム』[Freemium]は、ベンチャー・キャピタリストのフレッド・ウィルソンの造語で、ウェブにおけるビジネスモデルとしては一般的だ。それは多くの形態をとりうる。無料から高額のものまでさまざまなコンテンツをそろえるところもあるし、無料版にいくつかの機能を加えてプロ用の有料版をそろえるところもある(無料のフリッカーと、年間二五ドルを払うフリッカー・プロがその例だ)。」(クリス・アンダーソン『フリー [ペーパーバック版]:〈無料〉からお金を生みだす新戦略』NHK出版、2016年、44頁)。