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プルーフ・オブ・ワーク(その3)金とビットコイン

プルーフ・オブ・ワークの記事の続きです。

今回は、金とビットコインの比較について書きます。

sakiya1989.hatenablog.com

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ビットコインは「流通量(発行量あるいは埋蔵量)に限度がある」という点で金とよく似ています。金が地球上の埋蔵量に限度があるのと同様に、ビットコインにも流通量に限度があります。

具体的な数字を挙げると、金の総量は23万トンと見積もられており、これまで人間が発掘した金の総量はおよそ17万トン、残り発掘されうる埋蔵量は6万トンと予測されているそうです*1

これに対してビットコインの発行上限は約2,100万BTC*2と言われています。

matome.naver.jp

ただし、ビットコインが金と似ているのは、「その埋蔵量、流通量に限度がある」という点であって、「ボラティリティ」(volatility)ではないことには注意が必要です。価格変動のしやすさのことを「ボラティリティ」と言います。「ボラティリティが大きい」という場合には、価格変動が大きいことを意味します。「ボラティリティが小さい」という場合には、価格変動が小さいことを意味します。仮想通貨はマクロ的には上昇トレンドですが、ミクロ的には明らかに乱高下が激しいので「ボラティリティが大きい」と言えます。

またビットコイン同様、金価格も変動しますが、金という実物資産の価値(交換価値)が概ねゼロにならない(紙幣が紙切れになっても)と言われているのに対して、現在のところビットコインの価格変動は激しく、突然の規制なり全ての電力・PCの崩壊によってビットコインの仕組みや交換価値が(電子上)ゼロにならないとは全く言い切れないと思います。まあそこまでの非常事態になったらお金云々の話どころじゃないかもしれませんが…(いや、非常事態にこそ、お金が問題になるのか?)。

(続く)

*1:こういう埋蔵量の話はプラチナや石油についても語られますが、ここではスルー。

*2:正確には20,999,999,9769BTC。