まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

プルーフ・オブ・ワーク(その2)レイバーとワーク

昨日、プルーフ・オブ・ワークについての記事を書きました。

sakiya1989.hatenablog.com

 で、一晩寝て起きたら、「レイバー」(labour、労働)と「ワーク」(work、仕事)ってそもそも違う意味だし由来も違うよね、ってことを思い出しました。「レイバー」は苦しい骨折り労働(労苦)のことで、「ワーク」はもっとモノづくりに近いイメージの活動です。

二十世紀の思想家ハンナ・アレントは、人間の活動を「レイバー」(labour)と「ワーク」(work)と「アクション」(action)の3つに区別しました。

「アクション」はどちらかというと、公共空間で自分の意見を表明する言論活動を指します。スピーチだけでなく、私がここでブログに書きたいことを書いて公に表明することも、広義の意味では「アクション」に当たるかもしれません。

これら3つの区別については、ハンナ・アレント『人間の条件』(英題:The Human Condition)=『活動的生活』(独題:Vita activa oder vom tätigen Leben)で論じられているので、詳しくはそちらをご覧ください。 

 

で、「プルーフ・オブ・ワーク」ではナンスを求める膨大な計算のことを「ワーク」と呼んでいます。「ワーク」というからには、「レイバー」ではないわけですから、「プルーフ・オブ・ワーク」に労働価値説と似ているとか昨日書いたわけですが、むしろ先に両者の相違点を発見してしまった感じです。続きは明日にします。