さて、これまで命題1.1「自分が買うのを手控えるようなタイミングこそが、実は買いのタイミングである」について検討してきました。
で、一晩寝て、朝起きて、今日の朝ふと思い直したら、なんとなくこの命題が普遍的な書き方になっている点に問題があるような気がしてきました。
命題1.1の問題点
結局のところ、「自分が買いたいタイミング」だとか、「自分が買うのを手控えるタイミング」なんてものは人それぞれなわけです。もっと言えば、どういう目的で何を買うのかによって、買いのタイミングは変わってくるはずです。
もともとこの命題は、私が投資を想定して述べたものです。なので、この命題には「投資においては」という但し書きが必要なはずです。
命題1.1 revision1(以下rev.)「投資においては、自分が買うのを手控えるようなタイミングこそが、実は買いのタイミングである。」
「買いのタイミング」と言っても最適値の前後を含めてある程度幅があると思いますので、そこはもう少し説明が必要ですね。
またここで投資についても説明が必要でしょうが、それはまた今度の機会にします。
ところで、次の命題はどのように考えられるでしょうか。
命題2.1「投資において、自分が衝動的に買いたいと思うタイミングは、買いのタイミングではない。」
命題2.2「投資において、自分が衝動的に売りたいと思うタイミングは、売りのタイミングではない。」
命題2はさしあたり「衝動的に買う(売る)なよ」ってことが言いたいだけですが、実はそれ以上の意味を持っています。
「買いたいと思う」とか「売りたいと思う」というのは、突き詰めると意欲の問題なのですが、意欲にも実は段階があって、衝動的なものから、投資対象をよく吟味した理性的な判断によるものまであります。例えば、ウォーレン・バフェットがしたように、会社の情報を何年ぶんも読み込んで、投資対象を良く理解した上での「買いたい」や「売りたい」はもはや衝動的なものではないと言えるでしょう。