まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

ジャック・デリダ『弔鐘』覚書(3)

目次 ジャック・デリダ『弔鐘』(承前) (左)ヘーゲル欄 「鷲(エグル)」に擬せられるヘーゲル (右)ジュネ欄 包摂関係にある不均等な二つの欄 文献 sakiya1989.hatenablog.com ジャック・デリダ『弔鐘』(承前) (左)ヘーゲル欄 「鷲(エグル)」に擬…

ジャック・デリダ『弔鐘』覚書(2)

目次 ジャック・デリダ『弔鐘』(承前) (左)ヘーゲル欄 デリダの問い (右)ジュネ欄 〈残余〉とは何か 文献 sakiya1989.hatenablog.com ジャック・デリダ『弔鐘』(承前) (左)ヘーゲル欄 デリダの問い Qui, lui? 誰か、彼とは? (Derrida1974: 7,鵜…

ジャック・デリダ『弔鐘』覚書(1)

目次 はじめに ジャック・デリダ『弔鐘』 (左)ヘーゲル欄 ヘーゲルから残ったもの (右)ジュネ欄 ジュネから残ったもの 文献 sakiya1989.hatenablog.com I read Glas as an autobiography, "about" Hegel, Marx, Nietzsche, Freud, Genet et al. ——Gayatr…

「「当事者は嘘をつく」の書評への感想」へのリプライ(2)

目次 はじめに 〈赦す〉という言葉で私は何を述べようとしたのか manaasamiさんの疑問に対して おわりに 文献 はじめに 私は「読書前ノート(11)」(2022年8月31日)で小松原織香『当事者は嘘をつく』(筑摩書房、2022年)を取り上げて書評した。その書評…

「「当事者は嘘をつく」の書評への感想」へのリプライ

目次 はじめに 語ることの難しさ 書評後に考えたこと 〈赦し〉の文脈 はじめに 先日私は「読書前ノート(11)」で小松原織香『当事者は嘘をつく』(筑摩書房、2022年)の書評を書いた。この書評への感想が届いた。 manaasami.hatenablog.com はてなブログ…

『梨泰院クラス』所感

目次 はじめに 『梨泰院クラス』はプラトニック・ラブを描いているのか 悲劇としての『梨泰院クラス』 なぜセロイはスアと結ばれないのか おわりに はじめに Netflixで『梨泰院クラス』(이태원 클라쓰、JTBC、2020年)を観た。陳腐な言い方になるが、面白か…

ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』覚書(2)

目次 ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(承前) 『論考』の叙述様式 〈世界〉とは何か 〈事態〉とは何か 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(承前) 『論考』の叙述様式 『論考』は以下の命題から始まっている. 1 …

ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』覚書(1)

目次 はじめに ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』 初版のタイトルとラッセルの序文 文献 はじめに 本稿では,20世紀を代表する哲学者であるルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン(Ludwig Josef Johann Wittgenstein, 1889-1951)の主著『論理哲学論考』(…

ヘーゲル『エンツュクロペディー』覚書:「動物有機体」篇(2)

目次 ヘーゲル『哲学的諸学問のエンツュクロペディー要綱』(承前) II「自然哲学」第3部「有機体物理学」C「動物有機体」 〈自己運動〉の偶然性 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『哲学的諸学問のエンツュクロペディー要綱』(承前) II「自然哲学…

ベンヤミン「暴力批判論」覚書(1)

目次 はじめに ベンヤミン「暴力批判論」 倫理的諸関係における〈暴力〉 文献 はじめに 以下ではヴァルター・ベンヤミン(Walter Bendix Schoenflies Benjamin, 1892-1940)の「暴力批判論」(Zur Kritik der Gewalt)を読む. ドイツ語の"Gewalt"には,「性…

ヘーゲル『エンツュクロペディー』覚書:「動物有機体」篇(1)

目次 はじめに ヘーゲル『哲学的諸学問のエンツュクロペディー要綱』 II「自然哲学」第3部「有機体物理学」C「動物有機体」 文献 はじめに 本稿ではヘーゲル『哲学的諸学問のエンツュクロペディー要綱』(Encyklopädie der philosophischen Wissenschaften i…

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「家族」篇(4)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第三部「人倫」第一章「家族」(承前) 婚姻における自然性と精神性 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第三部「人倫」第一章「家族」(承前) 婚姻における自然性と精神性 第161節 婚姻は,…

読書前ノート(11)

目次 小松原織香『当事者は嘘をつく』(筑摩書房、2022年) 〈性暴力〉という物語り 「ナラティブアプローチ」と「嘘」 〈性暴力〉とは何か 「刑事司法の枠組み」から外れる〈性暴力〉 「彼」の発言と振る舞いの矛盾 ドーナツの「穴」のような「語り得(え)…

マルクス『資本論』覚書(22)

目次 マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) マルクスと労働価値説 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) マルクスと労働価値説 (1)ドイツ語初版 我々は今や価値の実体を知って…

マルクス『資本論』覚書(21)

目次 マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) 一商品価値の大きさが,労働生産力と労働量に対してもつ相関関係 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) 一商品価値の大きさが,労働生…

不条理な制度には不服従を示そう

唐突に昔の憤りを思い出したので書き綴っておく。 2015年のことである。 私は現在ソフトバンク株式会社で正社員として働いている。が、最初から正社員だったわけではなく、当初は販売契約社員として入社して働いていた。販売契約社員とは3ヶ月更新(当時)で…

読書前ノート(10)

目次 読書前ノート(承前) ジョルジョ・アガンベン『身体の使用 脱構成的可能態の理論のために』(上村忠男訳、みすず書房、2016年) 読書前ノート(承前) ジョルジョ・アガンベン『身体の使用 脱構成的可能態の理論のために』(上村忠男訳、みすず書房、2…

マルクス『資本論』覚書(20)

目次 マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) 労働時間の不完全な表現としてのダイヤモンドと金 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) 労働時間の不完全な表現としてのダイヤモンド…

マルクス『資本論』覚書(19)

目次 マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) 〈労働生産力〉の様々な複合的諸要因 文献 sakiya1989.hatenablog.com マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) 〈労働生産力〉の様々な複合的諸要因 (1)ドイツ語初版 …

自民党「日本国憲法改正草案」批判(3)

目次 自民党「日本国憲法改正草案」(承前) 前文(承前) 文献 sakiya1989.hatenablog.com 自民党「日本国憲法改正草案」(承前) 前文(承前) 日本国民は,国と郷土を誇りと気概を持って自らを守り,基本的人権を尊重するとともに,和を尊び,家族や社会…

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「家族」篇(3)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第三部「人倫」第一章「家族」(承前) 「家族」章の構成 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第三部「人倫」第一章「家族」(承前) 「家族」章の構成 第160節 家族は以下の三つの面を通じて…

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「家族」篇(2)

目次 ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第三部「人倫」第一章「家族」(承前) 家族の解体と市民社会への移行の見通し 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『法の哲学』(承前) 第三部「人倫」第一章「家族」(承前) 家族の解体と市民社会への移行の見通…

ヘーゲル『法の哲学』覚書:「家族」篇(1)

目次 はじめに ヘーゲル『法の哲学』 第三部「人倫」第一章「家族」 「家族」の規定としての「愛」 文献 はじめに 本稿ではヘーゲル『法の哲学』第三部「人倫」第一章「家族」の読解を試みる. 家族という共同体では様々な諸問題が生じている.それは,例え…

自民党「日本国憲法改正草案」批判(2)

目次 自民党「日本国憲法改正草案」(承前) 前文(承前) 文献 sakiya1989.hatenablog.com 自民党「日本国憲法改正草案」(承前) 前文(承前) 次の第二段落に示されているのは,国際社会において果たすべき「日本国」の役割——自民党がそのように考える限…

自民党「日本国憲法改正草案」批判(1)

目次 はじめに 自民党「日本国憲法改正草案」 前文 「日本国民」の代わりに主体化された「日本国」 反近代的概念としての「日本国」 文献 sakiya1989.hatenablog.com はじめに 以下では,自民党「日本国憲法改正草案」(2012年,以下「改憲草案」と略記する…

憲法改正・統一教会・民主主義

先日射殺された安倍晋三(1954-2022)元首相は,亡くなる5日前に千葉で行った講演の中でも憲法改正(以下,「改憲」と略記)の必要性を力説していた*1.改憲に関して岸田文雄(1957-)現首相は,安倍晋三の改憲についての「思いを受け継ぎ、果たせなかった難…

『共産党宣言』覚書(4)

目次 『共産党宣言』初版(23ページ本)(承前) 第一章 ブルジョアとプロレタリア(承前) 階級対立の単純化という近代市民社会の特徴 文献 sakiya1989.hatenablog.com 『共産党宣言』初版(23ページ本)(承前) 第一章 ブルジョアとプロレタリア(承前) …

ヘーゲル『精神現象学』読書会予習(2)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 精神(承前) 「純粋な事物」としての「朦朧とした織物」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 精神(承前) 「純粋な事物」としての「朦朧とした織物」 b 啓蒙の真理 朦朧として,もはや自…

『共産党宣言』覚書(3)

目次 『共産党宣言』初版(23ページ本)(承前) 第一章 ブルジョアとプロレタリア 階級闘争史としての社会史 ツンフト内部闘争 文献 sakiya1989.hatenablog.com 『共産党宣言』初版(23ページ本)(承前) 第一章 ブルジョアとプロレタリア 階級闘争史とし…

『共産党宣言』覚書(2)

目次 『共産党宣言』初版(23ページ本)(承前) 「共産主義の幽霊」というメルヒェンとその事実 文献 sakiya1989.hatenablog.com 『共産党宣言』初版(23ページ本)(承前) 「共産主義の幽霊」というメルヒェンとその事実 『宣言』は主に四つの章から成り…