まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

ペーパーレス化はどこまで可能か

今日はペーパーレス化について書きたいと思います。

ペーパーレス化とは、僕の頭の中で今パッと思い浮かんだ定義によれば、従来大量の紙で処理していたものを削減していく運動のことです。ペーパーレス化は、まあ単純に内容を減らすことによっても可能ですが、基本的には、紙の代わりにPDFのような電子ファイルの利用を推し進める手法を想定しています。

官僚が国会議員のところに毎日大量の報告書を持っていくという話を聞いたことがあります。そういうところではPDFを利用して、タブレットで閲覧するのがこれからのやり方として望ましいと言えるでしょう。

逆にペーパーレス化を極端に推し進めてペーパーゼロにしてしまうと、世の中には困ってしまう人もいます。例えば、今の最先端のデバイスには(iPhoneのように)説明書がほとんどない商品が存在します。それらの取扱説明書は概ねメーカーサイトからDLできますが、ネットに不慣れでそのやり方すらわからない人が世の中にはまだ多くいるわけですから、ペーパーゼロは取扱説明書までたどり着けない彼らを困惑させてしまうことにもなりかねません。ですので、今のところネットリテラシーが十分普及するまでは「なんでもかんでもPDFでOK」というわけにはまだいかないのが実情だと思われます。

もちろんペーパーレス化は、将来、紙が全く不要になるということを意味しているのではありません。内容によっては、紙の方が内容を理解しやすいものもあります。例えば、私は今日、この論文(注)をDLして、セブンイレブンのプリンターで紙に印刷して、帰宅する電車内で読みました。iPadでPDFを大量にDLしてざっくり眺め回すことはよくしますが、内容が硬いものは印刷しないと頭に入ってこないことがあります。

(注)「この論文」は次のサイトからDLできます。ビットコインの原論文を読む » ピッチブレンド blog

あとは自分がパソコンで書いた原稿を推敲するには、やはり紙に印刷して眺めた方が、追い追いアイデアが浮かんでくることが多いです。理由はよくわかりません。

 

そういえばウンベルト・エーコジャン=クロード・カリエール『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』という本を数年前に出していました。ちょっと気になったので今度読んでみようと思います。