まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

精神現象学

ヘーゲル『精神現象学』覚書(12)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 教養形成の始まり 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 教養形成の始まり 自己を形成し教養を身につけ(ビルドゥング)、実体的生命の直接態から抜け出す(ヘラ…

ヘーゲル『精神現象学』読書会予習(2)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 精神(承前) 「純粋な事物」としての「朦朧とした織物」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 精神(承前) 「純粋な事物」としての「朦朧とした織物」 b 啓蒙の真理 朦朧として,もはや自…

ヘーゲル『精神現象学』読書会予習(1)

目次 はじめに ヘーゲル『精神現象学』 精神 啓蒙の主張 文献 はじめに 以下の内容は私が参加しているヘーゲル『精神現象学』読書会予習のためのメモであり,第三者に読まれることは想定していない. ヘーゲル『精神現象学』 精神 啓蒙の主張 第一に啓蒙は,…

ヘーゲル『精神現象学』に第二版は存在するか?

はじめに 先日「ヘーゲル『精神現象学』覚書(9)」という記事に関して,Twitterで小田智敏さんと浦隆美さんよりコメントを頂きました.その際に頂いたコメントの中で,ヘーゲル『精神現象学』のテクストに関する疑問が出ましたので,その点に関して以下に…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(11)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「もっとも困難な」こととしての「叙述してみせること」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「もっとも困難な」こととしての「叙述してみせること」 もっとも…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(10)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 相違とことがらの限界 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 相違とことがらの限界 おなじく,相違とはむしろことがらの限界であって,相違が存在するところでは…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(9)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「生成」の始まりと終わりとしての「目的」と「成果」 文献 小田智敏さんのコメント 浦隆美さんのコメント sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「生成」の始まりと終…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(8)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) ヘーゲル独特の皮肉 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) ヘーゲル独特の皮肉 右に挙げたような説明を要求することは,その要求を満足させることとならんで,本…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(7)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 矛盾の把握の仕方 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 矛盾の把握の仕方 いっぽう或る哲学的体系に対して矛盾していることがみとめられる場合,ひとつには,そ…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(6)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) ヘーゲル哲学の「流動的な本性」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) ヘーゲル哲学の「流動的な本性」 つぼみは花弁がひらくと消えてゆく.そこでひとは,つぼ…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(5)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「思いなし」が見出す矛盾 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「思いなし」が見出す矛盾 同様にまた,或る哲学的労作が,対象をおなじくするいくつかのべつの…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(4)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「哲学」と「解剖学」の違い 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「哲学」と「解剖学」の違い さらにヘーゲルは「哲学」が他の分野とは異なる性質をもつ点につ…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(3)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「仮象」としての「哲学」 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文(承前) 「仮象」としての「哲学」 続けてヘーゲルは〈なぜ「哲学的な著作」においては「序文」が不適切…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(2)

目次 ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文 「哲学的な著作」における「序文」の意義 文献 sakiya1989.hatenablog.com ヘーゲル『精神現象学』(承前) 序文 よく言われることだが,『精神現象学』には「序文 Vorrede 」と「序論 Einleitung 」がある.「序…

ヘーゲル『精神現象学』覚書(1)

目次 はじめに ヘーゲル『精神現象学』 「学の体系」構想,サブタイトルとしての「精神現象学」 文献 はじめに このシリーズではヘーゲル『精神現象学』(熊野純彦訳,筑摩書房)を読む. 私が『精神現象学』を読み始めたのは,およそ十年前に遡ることができ…

ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判

目次 はじめに ⒈ 先行研究におけるカント批判という読解 ⒉ コンスタンとカントの虚言論争というコンテクスト 文献 はじめに 今回は「ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判」というテーマで書く。その概要は以下の通りである。 我々は(…

ヘーゲル『精神の現象学』「序言」における《哲学》と《科学》

目次 はじめに 「哲学が科学に高まる」とはどういうことなのか 「序言(Vorrede)」は哲学的著作にとって余計なものなのか 文献 はじめに 今回は、ヘーゲルにおける《哲学》と《科学》について書きたいと思います。 前々回、私は「ホッブズの「哲学=科学」…