まだ先行研究で消耗してるの?

真面目に読むな。論理的に読むな。現実的なものは理性的であるだけでなく、実践的でもある。

ラテン語

アリストテレス『政治学』覚書(1)

目次 はじめに アリストテレス『政治学』 共同体の目的と国家共同体について 単語 ラテン語訳 文献 はじめに 今日、我々にとって、アリストテレス『政治学』(Ἀριστοτέλης, Τα Πολιτικά)は何を残すか。 本書は政治哲学および国家学の古典と言われる。従来、…

バウムガルテン『美学』覚書(1)

目次 はじめに バウムガルテン『美学』第一巻 序論 美学に装飾された〈花冠〉 感性的認識の〈学問〉としてのバウムガルテン美学 美の表象の複合体としての〈感性的認識〉 文献 はじめに 本稿ではアレクサンダー・ゴットリープ・バウムガルテン(Alexander Go…

グローティウス『戦争と平和の法』覚書(3)

目次 グローティウス『戦争と平和の法』(承前) プロレゴーメナ(承前) グローティウスの「社会的結合への欲求」とストア派の「オイケイオーシス」 文献 sakiya1989.hatenablog.com グローティウス『戦争と平和の法』(承前) プロレゴーメナ(承前) グロ…

グローティウス『戦争と平和の法』覚書(2)

目次 グローティウス『戦争と平和の法』(承前) プロレゴーメナ グローティウスの体系性 文献 sakiya1989.hatenablog.com グローティウス『戦争と平和の法』(承前) プロレゴーメナ グローティウスの体系性 ローマの国法であれ,その他いずれかの国の法で…

グローティウス『戦争と平和の法』覚書(1)

目次 はじめに グローティウス『戦争と平和の法』 文献 はじめに 本稿ではグローティウス『戦争と平和の法』(渕2010; 渕2011)を読み進めたいと思う. フーゴー・グローティウス(Hugo Grotius, 1583-1645)は,周知の通り,今日では「国際法の父」と呼ばれ…

スピノザ『エチカ』覚書(14)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 〈実体〉=〈神〉を自然物や人間の本性と類比的に捉えてはならない 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 〈実体〉=〈神〉を自然物や人間の本…

スピノザ『エチカ』覚書(13)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体の無限性 部分的否定と絶対的肯定 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体の無限性 定理八 すべての実体は必然的に無限である. 証明 …

スピノザ『エチカ』覚書(12)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体と存在 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 実体と存在 定理七 実体の本性には存在することが属する. 証明 実体は他のものから産出され…

スピノザ『エチカ』覚書(11)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 他者によって産出されざる実体 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 他者によって産出されざる実体 定理六 或る実体は他の実体から産出される…

マルクス『資本論』覚書(6)

目次 マルクス『資本論』(承前) 第一部 資本の生産過程(承前) 富の社会的形式と素材的内容,あるいは商品と使用価値 十七世紀までの英語圏に見られる〈価値〉の用語法,worthとvalue worthとvalueの語源学:ゲルマン語派とロマンス語派 市民社会における…

スピノザ『エチカ』覚書(10)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 自然と実体 「定義三および公理六」? 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 自然と実体 『エチカ』第一部定理五では「自然」と「実体」との関…

スピノザ『エチカ』覚書(9)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 物を区別するもの 知性の外部は存在するか 「物」と「実体」の関係 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 物を区別するもの 前回の【定理三】…

スピノザ『エチカ』覚書(8)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 「物」と「実体」 Q.E.D. 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 「物」と「実体」 【定理三】では共通点と因果の関係について述べられている.…

スピノザ『エチカ』覚書(7)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 異なった属性を有する二つの実体 二つの実体を知覚する知性 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 異なった属性を有する二つの実体 【定理二】…

スピノザ『エチカ』覚書(6)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 定理 アプリオリな「実体」 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 定理 以上の「定義」と「公理」を踏まえた上で「定理 Propositio 」が述べら…

スピノザ『エチカ』覚書(5)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 公理 存在の二つの様式 概念規定 原因と結果 因果と認識 相互認識と概念 真の観念と被観念対象 非実在概念の本質 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について…

スピノザ『エチカ』覚書(4)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 「類」概念の有限性と規定性 「実体」概念 「属性」と構成物 「様態」概念と「変状」としての他在 スピノザの「神」理解 自律と他律 永遠=存在 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチ…

スピノザ『エチカ』覚書(3)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 「私」という主語,抹消された主体 「自己原因」の解釈と「神の存在証明」 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について(承前) 「定義」の内容についてもう…

スピノザ『エチカ』覚書(2)

目次 スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について 定義 隔字体のない原文 「定義」における「幾何学的秩序」 文献 sakiya1989.hatenablog.com スピノザ『エチカ』(承前) 第一部 神について 定義 定義 一 自己原因とは,その本質が存在を含むもの,ある…

スピノザ『エチカ』覚書(1)

目次 はじめに スピノザ『エチカ』 幾何学的秩序 スピノザ以前のユークリッド幾何学の哲学者への影響——ホッブズの場合 スピノザと幾何学的秩序 幾何学の発展——ユークリッド幾何学から非ユークリッド幾何学へ 本書の部門構成 文献 はじめに 本稿ではスピノザ…

私の外国語学習歴(2)フランス語でマルクスを読む

前回からの続きです。 sakiya1989.hatenablog.com 社会思想史のゼミに入る そんな感じで、大学二年でドイツ語とフランス語を独学でサラッと学んできました。これらの言語を学ぼうと思ったのは、そもそも当時の私がすでに生涯、思想や哲学の研究を本格的に行…

スピノザ『神学・政治論』における聖書解釈

はじめに 皆さんはスピノザ(Spinoza, 1632-1677)*1という哲学者をご存知でしょうか。スピノザはアムステルダムのユダヤ共同体のうちに生まれましたが、徐々にユダヤ教の教義に疑問を抱くようになり、また活発化していた反デカルト主義運動の潮流のため、ユ…

ホッブズの権利論——自然権と自由

目次 承前 ホッブズの「自然権」 「自然権」と「自由」 文献 承前 今回はホッブズの権利論*1について書きたいと思います。 この記事は以下の記事の続きです。 sakiya1989.hatenablog.com 「権利」はオランダ語の regt や英語の right の翻訳語として用いられ…