まだ先行研究で消耗してるの?

全然ロジカルじゃない(!)書きたいことをひたすら書くブログです。ノンロジカルエッセイ。

ラモー『和声論』覚書(1)

目次 はじめに 序文 第1章 音楽と音について 文献 はじめに 本稿ではラモーの『和声論』を取り上げる。ルソーは『言語起源論』でラモーの『和声論』を批判しているが、そのルソーは若い時にラモーの『和声論』をよく読み学んだという。 今日買った本、J.-Ph…

ルソー『言語起源論』覚書(5)

目次 第十三章 旋律について 第十四章 和声について 第十五章 われわれの最も強烈な感覚はしばしば精神的な印象によって作用するということ 文献 (以下のつづきである) sakiya1989.hatenablog.com 第十三章 旋律について 私たちは絵画や音楽を鑑賞して感動…

人文系研究における4つの研究フロー

目次 はじめに——なぜそんなに本を買うのか 人文系研究における4つのフロー 1. 研究計画を立てるフロー 2. 文献を集めるフロー 3. 文献を読み、分析するフロー 4. 論文を書き、推敲するフロー おわりに——身体の状態に合った研究フローを進める はじめに——な…

『音楽思想史』への取り組み(3)

目次 音楽思想史のために買った本 J.-Ph.ラモー『和声論』(伊藤友計訳、音楽之友社、2018年) 内藤義博『ルソーの音楽思想』(駿河台出版社、2002年) 内藤義博『ルソーとフランス・オペラ』(ブイツーソリューション、2013年) ジャン・スタロバンスキー『…

ルソー『言語起源論』覚書(4)

目次 第十章 北方の諸言語の形成——不快で力強い声 第十一章 この差異についての考察——オリエントの言語の「抑揚」 第十二章 音楽の起源——言語・詩・音楽 文献 (以下の続きである) sakiya1989.hatenablog.com 第十章 北方の諸言語の形成——不快で力強い声 ル…

「市民(シトワイヤン)」とは「道徳的人間」のことなのか——2020年度センター試験「倫理」の問題から考える

目次 はじめに 中江兆民が翻訳したのは『社会契約論』なのか 「市民(シトワイヤン)」とは「道徳的人間」のことなのか ルソー『社会契約論』における「道徳」 ルソー『社会契約論』における「市民(シトワイヤン)」 高い教養と道徳的能力が要請される「士…

ルソー『言語起源論』覚書(3)

目次 第七章 近代の韻律法について 第八章 諸言語の起源における一般的および地域的差異 第九章 南方の諸言語の形成 文献 (以下の続きである) sakiya1989.hatenablog.com 第七章 近代の韻律法について かつての非文字社会の言語には「抑揚」があったが、文…

ルソー『言語起源論』覚書(2)

目次 第四章 最初の言語の特徴的性質、およびその言語がこうむったはずの変化について 第五章 文字表記について 第六章 ホメロスが文字を書けた可能性が高いかどうか 文献 (以下の続きである) sakiya1989.hatenablog.com 第四章 最初の言語の特徴的性質、…

『音楽思想史』への取り組み(2)

目次 『音楽思想史』に関する先行研究 ルソー関連文献 板野和彦「ルソーの音楽教育観に関する研究」(明星大学教育学研究紀要第18号、2003年) 小田部胤久「ルソーとスミス——芸術の自然模倣説から形式主義的芸術観はいかにして生まれたのか——」(東京大学美…

ルソー『言語起源論』覚書(1)

目次 はじめに 第一章 われわれの考えを伝えるためのさまざまな方法について 第二章 ことばの最初の発明は欲求に由来するのではなく、情念に由来するということ 第三章 最初の言語は比喩的なものだったにちがいないということ 文献 はじめに 『音楽思想史』…

『音楽思想史』への取り組み(1)——ルソーとアドルノを中心に

目次 はじめに 『音楽思想史』のために最近買った本 アタナシウス・キルヒャー『普遍音樂 調和と不調和の大いなる術』(菊池賞訳、工作舎、2013年) ジョスリン・ゴドウィン『キルヒャーの世界図鑑 よみがえる普遍の夢』(川島昭夫訳、澁澤龍彦・中野美代子…

図書館としてのコーヒー・ハウス

現代の多くの喫茶店からはとっくの昔に失われてしまっていますが、かつてコーヒー・ハウスには、図書館(ライブラリー)としての機能があったそうです。 多くのコーヒーハウスでは、パンフレットや山積みにされた小冊子(tract)のみならずニュースレター(n…

規定性の捨象と創造性——喫茶店の源流としてのコーヒー・ハウス——

はじめに 今回は「規定性の捨象と創造性」と題して、喫茶店の源流としてのコーヒー・ハウスについて取り上げたいと思います。 前々回の「喫茶店と資本主義の精神——喫茶店で仕事が捗るのは何故なのか——」をリリースした直後、いくつかのコメントをいただきま…

「喫茶店と資本主義の精神——喫茶店で仕事が捗るのは何故なのか——」へのコメントとそのリプライ

はじめに 昨日リリースした「喫茶店と資本主義の精神ーー喫茶店で仕事が捗るのは何故なのか」には多くのアクセスがありました。 こちらの記事をリリースしてからおよそ半日で1000以上ものアクセスがありました。最初に千葉雅也先生にRTされたことにより、よ…

喫茶店と資本主義の精神——喫茶店で仕事が捗るのは何故なのか——

はじめに 今回は「喫茶店と資本主義の精神——喫茶店で仕事が捗るのは何故なのか——」というテーマで書きたいと思います。 このテーマのきっかけとなったのは、千葉雅也先生の次のツイートです。 ルノアールの仕事の捗り方はハンパない。生産性の神様がいるんじ…

人文系研究者を目指すならバーンレートを意識してみよう

デフォルトで生きているのか、死んでいるのか ——ポール・グレアム(Yコンビネーター) はじめに 今回は「人文系研究者を目指すならバーンレートを意識してみよう」というタイトルで書きたいと思います。 今回のテーマで書こうと思ったのは、TwitterのTLでし…

リスニング教材としてのYouTube

はじめに 今回は「リスニング教材としてのYouTube」というテーマで書きたいと思います。 じつは最近の私はYouTubeを使ってリスニング能力を磨くことに力を入れています。YouTubeは外国語教材の宝庫と言っても過言ではないくらい、コンテンツが豊富に揃ってい…

私の外国語学習歴(2)フランス語でマルクスを読む

前回からの続きです。 sakiya1989.hatenablog.com 社会思想史のゼミに入る そんな感じで、大学二年でドイツ語とフランス語を独学でサラッと学んできました。これらの言語を学ぼうと思ったのは、そもそも当時の私がすでに生涯、思想や哲学の研究を本格的に行…

私の外国語学習歴(1)英語・ドイツ語・フランス語

はじめに 今回は「私の外国語学習歴」というタイトルで書きたいと思います。 私が参加しているヘーゲル精神現象学の読書会に、最近中国から留学にやって来た院生が参加するようになりました。その留学生はドイツ語が堪能なので、読書会でのコミュニケーショ…

Audibleで古典を聴く

今回はAmazonのAudibleというサービスについて書きたいと思います。 僕の最近の悩みは仕事で体力を消耗してしまい、全然本が読めないことです。仕事が終わると瞼を開けておくのも面倒なので、目を瞑りながら本を読むことができたらいいのになぁとつくづく思…

藝大に行く道が墓場だった話

昨日はですね、小谷さんの単著進捗報告会に参加するために、東京藝術大学に初めて行きました。その道中のお話をします。 socio-logic.jp まず日暮里に降り立った私。 日暮里駅前広場で銅像を見つけました。 調べたところ、これは彫刻家であった橋本活道氏の…

AbemaTVはテレビの代わりになりうるか

今回は「AbemaTVはテレビの代わりになりうるか」というテーマで書きたいと思います。 sakiya1989.hatenablog.com テレビがなくても生活に支障はない 前回書いたように、OYO LIFEで一人暮らしをはじめました。 僕が借りた部屋は「家具なし・家電なし」の物件…

OYO LIFEで一人暮らしはじめました

突然ですが、OYO LIFEで一人暮らしはじめました。 皆さんはOYOって知ってますか。インド発の会社なのですが、最近日本でもOYO LIFEとしてサービスを開始してます。OYOはインドではホテルを扱う業態でしたが、日本ではホテルのように居住地を決められるような…

スピノザ『神学・政治論』における聖書解釈

はじめに 皆さんはスピノザ(Spinoza, 1632-1677)*1という哲学者をご存知でしょうか。スピノザはアムステルダムのユダヤ共同体のうちに生まれましたが、徐々にユダヤ教の教義に疑問を抱くようになり、また活発化していた反デカルト主義運動の潮流のため、ユ…

「普通」とは「良いこと」なのか——あるいは、ギフテッドに対する下方のピアプレッシャー

はじめに 今回は「「普通」とは「良いこと」なのか」というテーマで書きたいと思います。 きっかけは次のツイートを見かけたことです。 友「子供、たまに保育園を休ませてるんだって?」僕「たまにね」友「それよくないと思うな」僕「なんで?」友「普通そう…

Zenlyで恋人の信頼を取り戻せるか

めずらしく職場の女性Sさん(仮名)が相談してきた。 Sさんには1年ほど前から付き合っている彼氏がいる。 Sさんはもうすぐ彼氏の実家で働く予定で、ゆくゆくは結婚も視野に入れているところだった。そんな矢先、Sさんは彼氏であるMさんのことが信用できなく…

ロボットと労働

目次 はじめに 「ロボット」と「労働」 「ロボット」という語は「ロボータ」と「ロボトニーク」のかばん語として造語されたという言説について おわりに 文献 はじめに 今回は「ロボットと労働」というテーマで書きたいと思います。 いきなりですが、「ロボ…

私にとっての〈在野研究者〉

目次 はじめに Twitter上の「在野研究者」についての意見 1.「在野研究者」よりも相応しい名称がある(フリーランス・独立(系)研究者・日曜研究者など) 2.「在野」とは辞書的には「官」に対する「民」を意味する。それゆえ「在野研究者」は、民間の私大…

ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判

目次 はじめに ⒈ 先行研究におけるカント批判という読解 ⒉ コンスタンとカントの虚言論争というコンテクスト 文献 はじめに 今回は「ヘーゲル『精神現象学』立法理性のコンテクストとカント批判」というテーマで書く。その概要は以下の通りである。 我々は(…

「文字じゃない言語」──山口つばさ『ブルーピリオド』

はじめに ねとらぼの対談も面白い 美大の学費と親による承認の問題 なぜ『ブルーピリオド』に心揺さぶられるのか 「文字じゃない言語」──自己表現の先にある「会話」 はじめに Twitterで「インテリヤンキーが絵をかく楽しさに目覚める話」というものを見かけ…