まだ先行研究で消耗してるの?

全然ロジカルじゃない(!)書きたいことをひたすら書くブログです。ノンロジカルエッセイ。

イェーリングの「権利感情」論

目次 イェーリング『権利のための闘争』 「権利感情」と「力」 文献 今回はイェーリングの「権利感情」論について書きたいと思います。 イェーリング『権利のための闘争』 イェーリング(Rudolph von Ihering, 1818-1892)の代表作に『権利のための闘争』(D…

ホッブズの「哲学=科学」論

目次 はじめに 「文系」→「哲学」、「理系」→「科学」 ホッブズの「哲学=科学」論 「科学」 「哲学」 結語 文献 はじめに 先日TwitterのTLにより、隠岐さや香先生が新書を出版されるということを知りました。『文系と理系はなぜ分かれたのか』(星海社新書…

アマゾンについての新刊3冊

昨日、アマゾンについての新刊を買いました。 目次 佐藤将之『アマゾンのすごいルール』(宝島社) 鈴木康弘『アマゾンエフェクト!』(プレジデント社) GAFAリサーチ・ジャパン『アマゾンがわかる』(ソシム) まとめ 文献 佐藤将之『アマゾンのすごいルー…

【抜粋ノート】ヘーゲル『法の哲学』における「正義(Gerechtigkeit)」の用例集

凡例 ヘーゲル『法の哲学』の翻訳は、主に藤野渉・赤沢正敏訳(中公クラシックス)を参照したが、訳文は適宜改めてある。 原語はHegel Werke Bd.7, Suhrkampに依拠した。 引用箇所は、節番号(§)及びAnm.(注釈)とZu.(補遺)で示す。 「持ちものと資産と…

ヘーゲルの「正義」論

目次 「正義」と「平等」 iusの分離としての「権利(Recht)」と「正義(Gerechtigkeit)」 文献 今回は、ヘーゲル『法の哲学』におけるヘーゲルの正義論について書きたいと思います。 sakiya1989.hatenablog.com 「正義」と「平等」 ヘーゲルの『法の哲学』…

家庭用POSシステムについて ーEC市場・潜在的在庫・レコメンド機能問題への一寄与ー

Twitterで「家庭用POSシステム」なるものについて呟いたので、以下にまとめておきます。 目次 Amazonのレコメンド機能 家庭用POSシステム 潜在的在庫 Amazonのレコメンド機能 コトの発端はAmazonからのおすすめメールでした。 Amazonがすでに自分が持ってい…

ホッブズの権利論 ー自然権と自由ー

目次 承前 ホッブズの「自然権」 「自然権」と「自由」 文献 承前 今回はホッブズの権利論*1について書きたいと思います。 この記事は以下の記事の続きです。 sakiya1989.hatenablog.com 「権利」はオランダ語のregtや英語のrightの翻訳語として用いられるよ…

田上孝一編著『権利の哲学入門』社会評論社、2017年

昨年出版された田上孝一編著『権利の哲学入門』(社会評論社、2017年)には、自分も執筆者の一人として参加した。この本は二部構成であり、第一部は「権利の思想史」、第二部は「現代の権利論」となっている。 第一部「権利の思想史」では、アリストテレス、…

「権利」という翻訳語

今回は「権利」という翻訳語について書きたいと思います。 目次 「権利」の「利」 翻訳語としての「権利」以前/以後 「権利」の「権」 文献 「権利」の「利」 一昨年、私は「ヘーゲルの権利論」(荒川2017)について執筆していました。その際に「権利」とい…

通俗の弁証法 あるいはカント・ドイツ通俗哲学・西周

目次 はじめに ドイツ通俗哲学 ガルヴェとカント 西周の通俗性 文献 はじめに 小谷英生さんが博論出版に向けて準備をしているようだ。 博論がなかなか出版されないという自他共に抱える悩みを解消するため、下記の企画をさせていただきます。ご興味のある方…

大学とはメディアなのか

前回の記事で大学についてちょろっと書いたので、久しぶりに吉見俊哉『大学とは何か』(岩波新書、2011年)を読み直してみました。大学の歴史についてとてもコンパクトにまとまっていて、とても820円で買える内容とは思えないほど素晴らしいです。 僕がこの…

大学の図書館は重要な存在

Twitterで以下のエントリーが流れてきました。 bonotake.hatenablog.com この記事をきっかけに、あらためて冨山和彦さんの提言を読んで見ました。 冨山氏が大学をG型(グローバル型)とL型(ローカル型)に分けよと提言したのが2014年です。L型大学とは、要…

西周「百学連環」とencyclopedia

最近、「西周賞」というものが創設されました。 応募資格は40歳以下の若手研究者で、「ひろく西周にかかわる学術論文」というテーマで募集しています。締め切りは平成30年7月20日(必着)。賞金は10万円です。 www.tsuwano.net 僕はこの西周賞の募集を見て、…

ウィトゲンシュタイン『哲学探究』はシュールな思考の本だ

今日、オリックス推しプロ野球評論家比較政治学・朝鮮半島地域研究で有名な木村幹(@kankimura)先生がTwitterで次のようにつぶやいているのを見かけました。 そうか歴史学者の間には、ピンチになったら頭の中で「ドラえもん」の主題歌を流して落ち着かせる…

テクスト解釈の多様性

今回はテクスト解釈について書きたいと思います。 まずはこちらの画像をご覧下さい。 このイラスト何に見えますか? 目があるから、多分動物ですね。 カモかしら。アヒル?ウサギにも見えますね。 どうでしょう。どちらにも見えるし、書き方が結構曖昧じゃな…

ブルデューに学ぶ

今回はブルデューについて書こうと思います。 買っちゃった笑ブルデュー『知の総合をめざして』藤原書店、2018年。 pic.twitter.com/4pG7KZA2YA — 荒川幸也 Sakiya Arakawa (@hegelschen) 2018年3月7日 ブルデューを、ずっと読みたいと思っていたのだが、そ…

家族というメタファー

昨日、フレデリック・ラルー『ティール組織』(鈴木立哉訳、英治出版、2018年)を買って読みました。類稀に見る良書だと思います。 買いました。フレデリック・ラルー『ティール組織』英治出版、2018年。 pic.twitter.com/eS1tJIA9Wu — 荒川幸也 Sakiya Arak…

「手抜き」のススメ

今回は、「手抜き」について書きたいと思います。 みなさん「手抜き」に対してネガティブなイメージを持っていませんか。 僕は少し前まで、手を抜いちゃダメだと思っていました。例えば、大学院での研究とか、仕事とかでです。なんで手を抜いちゃダメかと思…

米国株とロボアドバイザー(ウェルスナビ)の近況

前回の記事で採用と絡めて投資の話をした。その際に「米国株25社に180万円を分散投資し、またロボアドバイザーのウェルスナビで90万円を運用しています」と書いた。 では、実際に私の投資パフォーマンスはどうなのか。いい機会なので、以下にさらしておく。 …

採用と投資 ー投資人材と消費人材ー

今回は採用と投資、人材投資について書きたいと思います。 最近、投資に関するブログや本を読んでいるのですが、投資への考え方や手法が、会社で人を採用する際にも応用できるんじゃないかなーと考える時があります。例えば、分散投資という手法が採用でも使…

イタリアの仮想通貨取引所BitGrailで盗まれたNanoについて(DAGとブロックチェーン)

2018年1月はCoincheckにおけるNEM流出事件や、仮想通貨の大幅下落など、暗号通貨・仮想通貨業界においては激動の月となりましたが、そんな中、またもやイタリアの仮想通貨取引所BitGrailで取引されていた1700万ものNANOが盗まれたというニュースが飛び込んで…

アルトコインあるいはビットコインのオルタナティブについて

最近、様々な暗号通貨(アルトコインや草コイン)について調べていました。 アルトコインは1000種類以上存在し、そして現在未来も新しいプロジェクトが続々と登場していきます。アルトコインの中には、Nexiumのようにゲーム通貨としての利用を目指すものや、…

映像ストリーミングサービス

タイトルの「映像ストリーミング」とは、具体的にはNetflixやAmasonプライムビデオのようなサービスを念頭に置いている。単に「ストリーミング」と書いてしまうとSpotifyのような音楽ストリーミングサービスも入ってきてしまうため、今回は「"映像"ストリー…

家電(2)防水・防塵

今回は防水・防塵についてまとめます。 電子機器にはIPという防水・防塵の等級が示されています。IP □□などと表記され、IP [防塵等級] [防水等級]の順に表記されています。 例えば、iPhone7から最新のiPhone8やiPhone Xの防水/防塵性能は、IP67です。つまり…

家電(1)除湿機

少しワケあって家電について連載する。(本当は量子コンピューターについて書きたかったのであるが、おあずけである。) 今回は除湿機がテーマである。 除湿機には除湿方式が2つある。コンプレッサー方式、デシカント方式だ。これら両方を併せ持つハイブリ…

情報セキュリティマネジメント試験と応用情報技術者試験

横浜に行ってきました。 横浜駅の地下街に久しぶりに行ったら、だいぶ変わっていました。 「有隣堂ってこんなレイアウトだったっけ?」という感じ。 で、スターウォーズとマーベルの人形を発見しました。これは何のポーズ? ふらっと有隣堂の専門書コーナー…

プルーフ・オブ・ワーク(その4)補足とトラストレス

ーまずは前回までの記事の簡単な補足から始めますー 前々回の記事「プルーフ・オブ・ワーク(その2)レイバーとワーク 」で、ハンナ・アレントによるレイバー・ワーク(・アクション)という3つの活動を紹介しました。 しかし現代の我々がワークという時に…

プルーフ・オブ・ワーク(その3)金とビットコイン

プルーフ・オブ・ワークの記事の続きです。 今回は、金とビットコインの比較について書きます。 sakiya1989.hatenablog.com sakiya1989.hatenablog.com ビットコインは「流通量(発行量あるいは埋蔵量)に限度がある」という点で金とよく似ています。金が地…

プルーフ・オブ・ワーク(その2)レイバーとワーク

昨日、プルーフ・オブ・ワークについての記事を書きました。 sakiya1989.hatenablog.com で、一晩寝て起きたら、「レイバー」(labour、労働)と「ワーク」(work、仕事)ってそもそも違う意味だし由来も違うよね、ってことを思い出しました。「レイバー」は…

プルーフ・オブ・ワーク(その1)労働価値説

自分はしばらくビットコインについて書く気が起きなかったのですが、最近ビットコインの記事が一般雑誌でも目立つようになって来たので、自分のビットコイン理解を整理するために、ビットコインを思想的な側面から書きたいと思います。 その前に、一年ぐらい…